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紙の市況(2021.9)詳細 9月10日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.王子HD SILBIOシリーズ3製品を新ラインアップ

 王子ホールディングスは9月7日、プラスチックフィルム代替として提案する紙製パッケージ『SILBIO BARRIER』に加え、同社の環境対応製品「SILBIOシリーズ」に新たに3製品をラインアップしたと発表しました。公式サイトの発表によると、

SILBIO BARRIER
(シルビオ バリア)
王子HDが開発・販売する、紙基材にバリアコート層を設けて酸素や水蒸気の透過を抑制する、紙製パッケージ素材。今回、環境対応製品「SILBIOシリーズ」のラインアップとして『SILBIO ALBA』『SILBIO CLEAR』『SILBIO EZ SEAL』の3製品を追加した。
SILBIO ALBA
(シルビオ アルヴァ)
晒片艶をベースにアルミ蒸着を施し、高いバリア性、遮光性を持たせた紙製パッケージ素材。ヒートシール性も有しており、お茶や油分の高いお菓子などの包材としての用途が提案されている。
SILBIO CLEAR
(シルビオ クリア)
透明紙をベースにバリア性・ヒートシール性を付与した、中身が見える紙製パッケージ素材。中身を見せたいお菓子などの包材としての用途を提案。
SILBIO EZ SEAL
(シルビオ イージー シール)
晒クラフト・未晒クラフト・晒片艶をベースにヒートシール層を設け、ヒートシール機能を持たせることに特化した紙製パッケージ素材。お菓子の2次包装や配送用パッケージなどの用途を提案。

 SILBIOシリーズは紙素材を51%以上使用しているため紙マークの付与が可能だとして、同社はプラスチック包装の代替としての活用を提案しています。


2.王子HD紙素材 ネスレ社マレーシアにて採用

 王子ホールディングスは9月1日、同社の紙製品がネスレ社マレーシアのMILO製品のパッケージとして採用されたと発表しました。海洋プラスチックごみ問題の解決に向けた取り組みの一環として、プラスチック包材の代替としての採用とのことで、ネスレ社で同社の紙製品が採用されるのは3か国目になるとのこと。
 同社は今後も環境にやさしい製品を提供することでSDGsに取り組んでいくと表明しています。


3.日本製紙 日本コカ・コーラとSDGs達成に向け協働

 日本製紙は9月6日、日本コカ・コーラ株式会社と8月1日付で「持続可能な社会の構築に関する協働基本合意書」を締結したと発表しました。両社は2013年9月1日から2021年3月31日まで森林保全などに関する協働基本合意書を締結し協働してきましたが、今回はその取り組みを、資源の循環・保全、地域社会の発展、多様性の尊重の3分野に拡大し、2030年までの約10年間、持続可能な社会の実現に貢献する取り組みを具体的に進めていくとしています。
 資源の循環・保全の分野では、森林の保全に加え、飲料容器を含む紙素材の利活用、二酸化炭素排出削減への取り組みでも協働を進め、気候変動などのリスク低減、生物多様性の維持、女性の活躍推進、LGBTQに対する理解促進など、環境分野以外も含めて連携し、SDGsの達成に貢献していくと表明しています。


4.伊藤忠商事 新素材新興と資本業務提携

 伊藤忠商事は9月6日、フィンランドのパプティック社との資本業務提携に合意し、同社の株式を取得したと発表しました。公式サイトの発表や、9月4日付の日本経済新聞の記事によると、パプティック社が開発した新素材PAPTICは、

・フィンランド国立技術研究センターが基礎技術を開発
・持続可能な森林由来のパルプが主原料
・しなやかさと強度、耐久性に優れ、紙に比べ折り目がつきにくく、破れにくい

といった特長を有しており、欧州では既に高級デパートの手提げ袋、フィンランド最大手の食品・菓子メーカーの包材、通販用配送外袋などで採用実績があるとのこと。
 今回の資本業務提携に伴って、伊藤忠商事はPAPTICの日本市場における独占販売権を獲得したとのことで、今後一層展開を推進し、日本国内における環境負荷の軽減に寄与していくと表明しています。


【板紙 国内の紙の市況/状況】

1.レンゴー 淀川流通センターが開設

 レンゴーは8月31日、かねてより建設中だった淀川流通センターが開設したことを発表しました。淀川流通センターは約2万トンの段ボール原紙が収容可能な、西日本では同社グループ最大の物流拠点で、RFIDの活用や無人運転のクランプリフトの採用などで倉庫内作業を大幅に自動化、倉庫内作業の効率化とともにトラックの待ち時間や製品積み込み時間の短縮を実現する、最先端の流通センターとなっています。
 同日、同社の中央研究所も淀川流通センター内にリニューアル移転し、「共創」をコンセプトに今後も地球温暖化の防止や脱炭素社会づくりに貢献する研究開発を行っていくとしています。


【その他の市況/状況】

1.エリエール 「除菌できるシリーズ」に『抗菌成分プラス』を新発売

 大王製紙は9月6日、「除菌できるシリーズ」のリニューアルとラインナップ拡充を発表しました。

・ウエットティシュー「除菌できるシリーズ」のボトルタイプをリニューアル。より少ない力でスムーズにシートを取り出せるよう取り出し口を改良。
・48時間菌の増殖を防ぎ、においの元となる汚れを除去する『抗菌成分プラス』を新発売。
・今まではなかった「ボックス」タイプのパッケージを投入。

 全37アイテムを揃え、2021年10月1日より全国で発売を開始すると発表されています。


【印刷・製品関連】

1.山形・中央印刷の「3’412」

 山形市で印刷業を営む中央印刷株式会社が今年5月、「3’412(ざんしじゆうに)」というECサイトをオープンし、話題となっています。同社の女性社員だけで企画・運営するというサイトでは、同社の印刷物の製造過程で発生した紙の余りや端の部分=残紙のみを原料とし、色上質紙や特殊紙など、いろいろな紙を名刺サイズに詰め合わせた製品や、色上質紙をA4サイズにカットして組み合わせた製品、中には、

紙の福袋 メモ帳、色上質紙、レザック、クラフト紙など、色、形、厚さの違ういろいろな残紙を500グラム程度詰め合わせた製品。
工作セット~秋の型抜きつき~ 色上質紙、上質紙、特殊紙などに、カボチャやこうもりなど、秋の工作に使える型抜き6点を詰め合わせた製品

など、工夫を凝らした製品が販売されています。
 サイト名の由来は「残紙を、自由に」、小さくてもまだまだ使える残紙、社内でメモ紙程度にしか使ってこなかった残紙を、より多くの方に自由にお使い頂ければと、サイト開設に至った思いを説明されています。


※文中敬称略
※文章は2021年9月8日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。