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【紙のソムリエ】番外編 シート先輩とコマキさんの紙に関する四方山話22 本の紙の計算

「コマキさん、また本読んでるんだね。あれ?今日はブックカバーが華やかだ。」
「お疲れ様です、シート先輩。綺麗な折り紙を衝動買いしたのでつくってみました。」
「手作りなんだね。そう言えば、前も綺麗な包装紙をブックカバーにするって言ってたっけ。」
「はい。市販のブックカバーも持っているのですが、サイズがぴったり合わないこともあるので。
 紙カバーだと調整がきくので、本に合わせて折り直したりして使い回しています。」

「サイズが違うって、文庫と新書、とか?」
「それもありますけど、大きな問題は本の厚みですね。普通より厚さがある本だと入らないし、逆にカバーの方が大きすぎるとカバーの中で本が泳いで擦れてしまったりします。それに同じ文庫でも、出版社によって微妙に高さが違ったりするので。」
「え、そうなの?」
「はい。ほとんどは1ミリとか2ミリとか、微妙な差なのですが。でも、それを知らずに小さい本に合わせてカバーの紙を切ってしまうと、後で他の本で使おうと思ってもサイズが合わなくて使えなかったりするので、折り返して調整するようにしています。」
「そうかあ。なんかその話って、仕事で紙の手配をするときにも通じるものがあるね。私用のブックカバーなら、あ、使えないや、残念、で済む話かもしれないけど、仕事だと大損害につながりかねないし。」
「そうですね。厚みの問題などはまさに紙を手配する時の注意事項と同じだと思います。他にも、本の紙を手配する時に、計算上気をつけなければならない点はありますか?」
「そうだね。例えば・・・

印刷物の詳細 印刷物の仕上がり寸法だけでなく、種類や色数、製本、後加工などによって、仕上がり寸法の周囲に必要とされる余白の大きさや位置が変わり、紙の取り都合も変わってくる。
用紙の詳細 本文やカバーを取る際に、一番取り都合が良い寸法で適した目なりの規格がなければ、取り都合が悪くなりコストがかさむ要因となるため、用紙のサイズと同時に目なりも確認しておく必要がある。使ったことがない紙を使う場合は、印刷適性を確認しておくことも枚数計算に影響。ファンシーペーパーなどの場合は柄が取り都合に影響を与える場合もあるので要注意。
厚み 『連量』と『厚み』の違いに注意。紙の種類が異なれば、同じ連量=同じ厚み、は成り立たない、ということを理解しておく。
その他 後の増刷のことを考えるのであれば、入手しやすい紙かどうかを確認しておくことも重要

「製本によって本文と表紙が同じ大きさの場合もあれば、表紙の方が大きい場合もあるよね。そういうチェック項目を自分でリスト化しておけば、最初の見積もりの時の枚数では足りない、なんてことも防げるかもしれないね。」

「プライベートでも紙が好きで、そこで得た知識が仕事にも役立って、って、いいサイクルになっているね。」
「ただ紙モノが好きなだけなのですが。先輩は何かそういうことはありますか?」
「うーん・・・あ。おやつに味付けのりを持って歩いてたら、お客様とご飯のおとも論争で盛り上がったことはある!海苔と紙って似てるよね。」
「・・・・・・」