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紙の市況(2022.9)詳細 9月10日更新分

【紙に関する市況/状況】

1.日本製紙パピリア 原田工場の2ラインを停機

 日本製紙グループの日本製紙パピリアは8月18日、原田工場の5ラインのうちの2ラインを停機すると発表しました。同社公式サイトの発表によると、

対象抄紙機 生産能力 主要生産品種 停機予定時期
3号抄紙機 日産25トン インディア紙、超軽量コート紙 2023年3月末予定
5号抄紙機 日産25トン 複写用紙 2024年3月末予定

 停機の目的について同社は、国内需要の構造的な変化に対応し生産の効率化と競争力の強化を目指すとしており、それぞれの生産品目については他の抄紙機に集約し顧客等に不便をかけないようにすると表明しています。


2.中パ 壁紙原紙を値上げ

 中越パルプ工業は9月6日、壁紙原紙の価格改定を発表しました。

対象品目 壁紙原紙
改定幅 現行価格+15%以上
実施時期 2022年11月1日出荷分より

 壁紙原紙については昨秋にも、2022年1月21日出荷分から現行価格より15%以上の価格改定を発表していますが、世界情勢の大きな変化により原燃料価格等が急騰したとして、同社は再度の値上げに理解を求めています。


3.王子HD アジアの高機能ラベル印刷加工事業を買収

 王子ホールディングスは9月1日、子会社の王子イメージングメディア株式会社がシンガポールに本社を置くAdampak社の全株式を取得したと発表しました。公式サイトの発表によると、Adampak社を親会社とするAdampakグループは東南アジア、中国の6か国に事業拠点を置き、高機能ラベル印刷加工事業を手掛けているとのこと。今回の買収で電気製品やヘルスケア向けの高機能ラベル製品の品揃えが拡大、原紙から加工までの一貫生産が可能になるとして、同社はより幅広いお客様にタイムリーかつ最適なラベル製品を提案し、顧客価値向上を目指していくと表明しています。


4.日経42種8月末 「紙・板紙」は7月末比横ばい

 景気動向に敏感な素材、燃料などの企業間取引価格を基に、1970年を100として算出する日経商品指数42種の8月末値が9月1日、公表されました。42種全体の指数は2か月ぶりに7月末比0.3%の上昇となりましたが、中国政府の景気刺激策による需要増に期待が集まった「非鉄」や、砂糖が値上がりした「食品」の指数上昇を反映したもので、中国の景気減速の影響などで「化学」や「石油」、「その他」は指数が7月末比で下落しており、「鋼材」の国内需要の伸び悩みなどからも、今後も指数の上昇が続くかは不透明だとの声が伝えられています。
 「紙・板紙」は7月末比横ばい、前年同月比は14.8%の上昇となっていますが、7~8月からと打ち出されている印刷・情報用紙の再値上げや、9月以降の段ボール原紙、白板紙、包装用紙など、今後も価格改定が次々と予定されており、価格動向に注意が必要です。


【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.三菱製紙が包装用紙の値上げを発表

 三菱製紙は8月30日、包装用紙の価格改定を発表しました。パッケージ関連の値上げ発表を再度まとめると、

メーカー 対象 改定幅 改定時期
大王製紙 段ボール原紙、包装用紙、機能材 段ボール原紙 現行価格+15円/kg以上
包装用紙・機能材 現行価格+15%以上
2022年9月1日納入分より
NTI 段ボール原紙全般
特殊板紙(チップ・色板紙、紙管原紙、石膏ボード原紙、シクラ原紙)
クラフト紙(重袋用両更クラフト紙、一般両更クラフト紙)
段ボール原紙全般 現行価格+15円/kg
特殊板紙、クラフト紙 現行価格+15%以上
段ボール原紙、特殊板紙は2022年9月1日出荷分より
クラフト紙は2022年10月1日出荷分より
レンゴー 段ボール原紙
その他原紙(白板紙、紙管原紙、チップボール)
段ボール製品
段ボール原紙 現行価格+15円/kg以上
その他原紙 現行価格+15円/kg以上
段ボール製品は個別打ち合わせ
2022年9月1日納入分より
段ボール製品は個別打ち合わせ
王子マテリア 段ボール原紙(ライナー、中芯)
特殊板紙(紙管原紙、
石膏ボード原紙、雑種紙)
白板紙全品種、色板紙、
チップボール
包装用紙全品種
段ボール原紙・特殊板紙 現行価格+15円/kg以上
白板紙・色板紙・チップボール・包装用紙 現行価格+20%以上
2022年10月1日出荷分より
北越コーポ
レーション
段ボール原紙
白板紙(コート白ボール、
特殊白板紙、高級白板紙)
包装用紙全品種
段ボール原紙 現行価格+15円/kg以上
白板紙・包装用紙 現行価格+20%以上
段ボール原紙 2022年10月1日納入分より
白板紙・包装用紙 2022年10月1日出荷分より
中越パルプ
工業
高級板紙・特殊板紙、
食品容器原紙、
未晒クラフト紙(重包装、軽包装、半晒クラフト)
晒クラフト紙(両更、片艶)
純白ロール紙
現行価格+15%以上 2022年10月1日出荷分より
日本製紙 コート白ボール、
特殊板紙
現行価格+20%以上 2022年10月1日出荷分より
三菱製紙 包装用紙全般 現行価格+20%以上 2022年10月1日出荷分より

 9月に入り円安は一段と進行しており、原燃料を輸入に頼る業種の厳しい環境が続いています。


2.王子HD紙製品 「ナッツ屋さん」新パッケージに採用

 王子ホールディングスは9月1日、株式会社デルタインターナショナルが展開するアーモンドやカシューナッツなどの製品、「ナッツ屋さん」シリーズの新しいパッケージ素材に、同社の紙製品が採用されたと発表しました。同社やデルタインターナショナルの公式サイトの発表によると、

リニューアル 製品が「くだもの屋さんの木の実」から「ナッツ屋さん」シリーズにリニューアルされたのに伴い、パッケージもクラフト紙を50%以上使用した紙素材に変更。プラスチック使用量削減で環境負荷低減に貢献するとともに、クラフト紙の風合いを生かして、素のままのナッツの素材感を打ち出したデザインに変更。
印刷 印刷にもバイオマスインキを使用。石油由来から植物由来に変更し、バイオマス度10%以上を確保。

 王子HDはSDGs時代の環境に優しい包装として、紙素材への切り替えでプラスチック使用量削減を図る「サステナブルパッケージ」を提案しており、今後も環境配慮型素材・製品の開発を推進し、持続可能な社会の実現に取り組んでいくと表明しています。


3.日本製紙 アセプティック紙容器システムの実液充填テスト一貫体制構築を発表

 日本製紙は8月29日、同社紙パック営業本部テクニカルセンターに、「NSATOM」の実液充填テスト一貫体制を構築し、テスト受け入れを開始したと発表しました。公式サイトの発表によると、

NSATOM 同社が開発した次世代型アセプティック紙容器システム。紙容器に最適化した無菌充填システムで、
・固形物・長繊維入り、高粘度の飲料にも対応。
・口栓が開けやすく、中身が出しやすい構造。
・持ち運びが容易。
といった特長を有している。
「NSATOM」は同社の登録商標。
今回の対応 テクニカルセンターに「NSATOM」システムを設置。充填機、前処理滅菌設備、口栓装着機を含む一貫した設備を設置することで、実液での充填テストの受け入れが可能になった。

 「NSATOM」の発表当初から、実機での実液充填テストの実施を要望する声が多くの飲料メーカーから寄せられていたとのことで、同社は今回の対応でお客様のニーズに応えるとともに、新しい価値の提案を通じて、人々のより豊かな暮らしの実現に貢献していくと表明しています。


【その他の市況/状況】

1.古紙在庫が減少

 9月2日付の日本経済新聞紙上にて、7月末の古紙在庫が前年同月比13.9%減少したと報じられています。関東製紙原料直納商工組合のまとめによるもので、前年割れは8か月連続、6月末比でも1.2%減少となったとのこと。
 段ボール古紙は10.5%、新聞古紙は22.2%、雑誌古紙は11.3%の前年同月比減少となっており、在庫率も適正水準を大きく下回ったと記事では伝えています。


2.北米産パルプ価格 前月比横ばい

 9月6日付の日本経済新聞紙上にて、北米産パルプの8月積み日本向け輸出価格が前月比横ばいとなったと報じられています。カナダの昨秋以来の物流混乱、中国の需要鈍化の影響が続いているとのことで、9月積み価格では下落する可能性もあると記事では分析しています。


【印刷・製品関連】

1.大王 ペーパータオルの包装に紙

 大王製紙は8月25日、ペーパータオルのパッケージをフィルム包装から紙包装に刷新した新製品を全国発売すると発表しました。公式サイトの発表によると、

商品名 『エルヴェール ペーパータオル 紙包装 シングル 200枚』
特長 リサイクルパルプ100%使用の紙製品「エルヴェール」ブランドから、初の家庭向け専用商品。
・フィルム包装から紙包装に変えることで、プラスチック使用量を32%削減。
・紙包装には撥水性があり、水回りで使ってもよれにくい。
・インテリアにマッチしやすいナチュラルなデザイン、スリムな形状。
・タオル本体はリサイクルパルプ100%使用で、包装とともに環境に優しい。
・リサイクルパルプを乾燥させる前にクレープ(しわ)をつける製法(ウエットクレープ製法)で、紙厚が高くしっかりとした風合いを実現。しっかり吸水しても破れにくく、快適な拭き心地。
発売日 2022年9月21日から全国発売

 「エルヴェール」ブランドのペーパータオルはこれまで主に業務用として利用されてきましたが、近年の衛生意識の高まりなどから一般家庭でもペーパータオルの需要が増えている流れを受け、より環境に優しく、かつ、家庭向けとして手に取りやすい製品を目指し、今回の開発・発売に至ったと、同社は経緯を説明しています。


※文中敬称略
※文章は2022年9月7日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。