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華陽ニュース
紙の市況(2023.3)詳細 3月10日更新分
【紙に関する市況/状況】
1.日本製紙 新聞用紙値上げを発表 |
日本製紙は2月27日、新聞用紙の値上げを発表しました。
対象 | 新聞用紙全般 |
値上げ幅 | 300円/連 |
実施時期 | 2023年4月1日納入分より |
新聞用紙の需要減と原燃料価格の高止まりで、今後の事業継続と安定供給のためには価格改定が必要として、同社は値上げに理解を求めています。
2.紙の値上げ等で日経商品指数42種が上昇 |
3月1日付の日本経済新聞紙上にて、企業間取引価格を指数化した日経商品指数42種の2月末値が、前月比0.6%、前年同月比8.4%上昇したと報じられています。指数を押し上げた要因のひとつとして紙・板紙の値上げを挙げ、前月比9.5%の上昇が全体の指数を押し上げたと分析しています。
・上質紙の国内卸価格が22年9月比で2割上昇。最高値を更新。
・印刷用紙全体の国内卸値上昇幅は、前回値上げ時から平均2割以上高で妥結と製紙会社。
・原燃料価格の高騰や昨秋までの円安進行で製紙会社のコストが増加。輸入紙の流入も減少し、印刷会社が安定調達のため値上げを受け入れ。
と、紙の価格を取り巻く状況を記しており、ウクライナ危機の長期化などで原燃料の調達コストが高止まりする可能性についても指摘しています。
【板紙・パッケージに関する市況/状況】
1.レンゴー 「Carbon Clean 200」と「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」環境サステナブル企業に選定 |
レンゴーは3月6日、「Carbon Clean 200」と「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」環境サステナブル企業に選定されたことを発表しました。
Carbon Clean 200 | カナダのメディア・調査会社と米国のESG投資推進団体が共同で発行する指標。気候変動対策を推進し「クリーンな収益」をあげている世界の上場企業が選定される。 |
ESGファイナンス・ アワード・ジャパン |
ESG金融または環境・社会事業に積極的に取り組み、インパクトを与えた機関投資家、金融機関、仲介事業者、企業等を表彰する、環境省の取り組み。先進的な取り組みを表彰することで広く社会で共有し、ESG金融の普及・拡大につなげることを目的としている。 レンゴーが選ばれた「環境サステナブル企業」は、環境関連の重要な機会とリスクを経営戦略に取り込み、企業価値向上と環境への正の効果を生み出している企業を選定し、具体的な実例を投資家、企業に示すために表彰するもので、今回の選定では、レンゴーのほか王子ホールディングスも製紙関連で選定されている。 |
同社は今後も様々な環境課題、社会課題の解決を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していくと表明しています。
【その他の市況/状況】
1.大王製紙 消臭効果のあるキッチンクリーナー発売 |
大王製紙は3月8日、拭き掃除ブランド「キレキラ!」から、キッチン掃除後に捨てたシートが生ゴミ臭に消臭効果を発揮する新商品を発売すると発表しました。近年、台所用除菌・消臭剤市場が拡大していることから、キッチンの拭き掃除と生ゴミ消臭を1枚で解決でき、”キレイを気楽に”実現できる商品を開発したと、同社は発売の狙いを説明しています。新商品『キレキラ!キッチンクリーナー 徹底キレイ おそうじシート 捨てるだけで生ゴミ消臭』は2023年4月1日からの全国発売が予定されています。
【印刷・製品関連】
1.グリーン購入法の紙に関する判断基準が一部変更 |
環境省は2月24日、「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」(以下、「グリーン購入法」)に基づく「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」の変更について閣議決定されたと発表しました。印刷用紙に関する判断の基準が一部見直されており、
対象 | 塗工されていない印刷用紙 塗工されている印刷用紙 |
見直し | ・総合評価値を80から70に引き下げ。 ・最低古紙パルプ配合率を60%から40%に変更。 |
注意点 | 3年間の時限措置 |
背景 | 古紙在庫の減少により、以前の基準に合致する印刷用紙の調達が困難になっていたため。 |
同日の閣議決定では、コピー機や複合機など複数の品目について、「ライフサイクル全般にわたりカーボン・オフセットされた製品であること」を配慮事項に追加することも決定されており、今後他の品目にも広がるのかにも注目が集まりそうです。
※文中敬称略
※文章は2023年3月8日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。