KAYO NEWS
華陽ニュース
紙の市況(2023.6)詳細 6月10日更新分
【洋紙 国内の紙の市況/状況】
1.原材料高影響一巡もなお高い水準の記事 |
6月2日付の日本経済新聞紙上にて、企業業績に対する原材料高の影響に一巡の兆しがみられると報じられています。
主要約50社対象、原材料高による減益額
2023年3月期 約5兆円のマイナス ⇒ 2024年3月期 約1,800億円のマイナスの見通し
となっていることが根拠とされており、足元で原材料高の進行に落ち着きがみられるとのこと。
ただ、原材料価格の水準自体は依然高いままで、企業が収益見通しを達成するには計画通りの値上げやコスト削減を実施する必要があるとされており、2023年3月期の営業損益が1949年の上場以来初の赤字となった日本製紙は、印刷用紙の値上げ効果などに合わせ石炭使用量の削減でコストを圧縮し黒字転換を目指すと記事では伝えられています。
2.日経42種 「紙・板紙」は4か月横ばい |
6月1日付の日本経済新聞紙上にて、国内の企業間取引価格を指数化した日経商品指数42種の5月末値が2か月連続で低下したと報じられています。世界経済の減速懸念を背景とした非鉄や化学製品などの国際市況の下落を反映したものとのこと。国内では物価高で消費が落ち込んでいる食品や日用品向けの包材の引き合いが弱いとの化学メーカーの声も紹介されています。
ただ、2か月連続で低下したとはいえ指数自体は過去最高に近い水準で、円安進行も相まって原燃料価格は高止まりしているとのことで、「簡単に価格の引き下げに応じることのできる状況ではない」とする製紙会社の声も紹介されています。
【板紙・パッケージに関する市況/状況】
1.レンゴー 国内製造拠点の石炭使用量をゼロに |
レンゴーは6月5日、カーボンニュートラルに向けて、2027年までに国内製造拠点における石炭使用量をゼロにすると発表しました。公式サイトの発表によると、
現状 | 製紙部門の金津工場と丸三製紙株式会社で合計約12万5千トン/年の石炭を使用。 |
燃料転換 | 2026年に金津工場、2027年に丸三製紙で燃料をLNGに転換。石炭を全廃。 |
6月6日付の日本経済新聞の記事によれば、この燃料転換の実施で二酸化炭素排出量が2022年度比で計18万トン削減できる見込みとのことで、同社は石炭使用ゼロ計画に加えさらなる環境対策に取り組みカーボンニュートラル実現を目指していくとしています。
【その他の市況/状況】
1.大王製紙 連結トラックの輸送実証実験 |
大王製紙は6月1日、ダブル連結トラックの中継輸送実証実験を実施すると発表しました。公式サイトの発表によると、
目的 | 物流2024年問題への対応策のひとつとして、2つのトラックシャーシを1台のトラックヘッドで牽引するダブル連結トラックの導入を検討。ダブル連結トラックを保有する青伸産業運輸株式会社の協力を得、通常一般のトラックで行っている輸送ルートをダブル連結トラックで運行し、通行に問題がないかの確認や活用による効果の検証などを行う。 |
期間 | 6月5日から4日間の予定 |
ルート | 大王製紙川之江工場とエリエールペーパー行田工場の間の往復。瀬戸大橋や明石海峡大橋を通り四国島内でダブル連結トラックが輸送を行うのは全国初の試みとのこと。 |
同社はダブル連結トラックの活用が、輸送の効率化、ドライバーの負担軽減、二酸化炭素排出量削減などにつながるとして、今回の実証実験で運行に問題がないことが確認できれば、今後の定期運行を検討していくとしています。
【印刷、製品、その他関連】
1.王子が2023年度「王子の森・自然学校」の参加者を募集 |
王子ホールディングスは6月1日、2023年度「王子の森・自然学校」第18回をオンラインで開催すると発表しました。
目的 | 未来を担う子供たちに紙は環境にやさしいものであることを理解してもらい、同社の環境保全に対する姿勢や思いを次世代につなぐ。 |
内容 | プログラムは「森のリサイクル編」「紙のリサイクル編」の2種類で、3日間に同じ内容のものを各6回開催。Zoomを使ったオンラインのワークショップで木工クラフトや紙漉き体験を行い、手を動かしながら楽しく「森のリサイクル」「紙のリサイクル」について学ぶ。 ※教材の送付は日本国内のみ。 |
対象 | 全国の小学4年生~6年生。各回20名で、応募者多数の場合は抽選。 |
日程 | 2023年7月26日~28日。「森のリサイクル編」は各日、9時30分~10時30分と14時~15時で計6回分を募集。「紙のリサイクル編」は各日11時~12時と15時30分~16時30分で計6回分を募集。「森のリサイクル編」及び「紙のリサイクル編」の各回は全て同じ内容。 |
募集期間は2023年6月1日~6月30日で、日本環境教育フォーラムのウェブサイトから申し込んでほしいと同社は呼び掛けています。
2.製紙連 「第20回手づくり絵はがきコンクール」を開催 |
日本製紙連合会は5月31日、「第20回手づくり絵はがきコンクール」を開催すると発表しました。
目的 | 「紙のリサイクル」体験を通じて、次世代を担う小学生に資源循環型産業である製紙産業を知ってもらい、「紙への親しみ」と「リサイクル活動への興味」を育んでもらう。 |
内容 | 牛乳パックなどを自分でほぐして紙すきして再生したはがきサイズの紙を使うことが条件。「夏の思い出」というテーマに沿った絵はがきをコンクール事務局あてに送り、団体・個人それぞれで「最優秀賞」「優秀賞」「特別賞」を選出・表彰。 |
対象 | 小学生 |
募集期間 | 2023年7月1日~9月30日 当日必着 |
クラス単位などで参加の団体の部ではリサイクルを学ぶ授業の一環として、個人単位で参加できる個人の部では夏休みの自由研究などで取り組まれており、毎年全国から多数の応募があると同会は明らかにしています。
※文中敬称略
※文章は2023年6月7日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。