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紙の市況(2023.9)詳細 9月10日更新分

【洋紙 国内の紙の市況/状況】

1.特種東海がファンシーペーパーの価格改定を発表

 特種東海製紙は9月1日、ファンシーペーパーの価格改定を発表しました。

対象製品 ファンシーペーパー
改定幅 現行価格+10~15%
改定時期 2023年11月1日出荷分より

 同社は2021年5月にファンシーペーパーの一部を値上げした以外、その他のファンシーペーパーについては価格を据え置いてきましたが、原燃料コストが高止まりし物流コストも上昇傾向であることから自助努力だけでのコストアップの吸収が困難になったとして、価格改定に理解を求めています。


【板紙・パッケージに関する市況/状況】

1.レンゴーなど12社が店頭容器回収実証実験

 レンゴーは9月4日、業界横断12社による使用済みプラスチック容器の店頭回収実証実験を開始すると発表しました。同社の公式サイトに掲載された発表によると、

内容 イトーヨーカドー横浜別所店において、お菓子やシリアルの袋、食用油や調味料のボトル、納豆・お弁当の容器を回収する実証実験を実施。プラマークがついている使用済みのもので、水ですすぐ、乾燥させる、中身を出し切る、つぶすなど、処理を行ったうえで回収ボックスに投入することが求められる。メーカーは問わず。
今回の取り組みの特長 2022年11月に実施した回収実証実験の結果を踏まえ、回収対象に新たに納豆・お弁当容器を加え、期間も約3か月に延長。事業主体となる株式会社アールプラスジャパンが開発中の、プラスチックの材質に左右されず、かつ効率よく元のプラスチック素材に戻すことができるケミカルリサイクル技術への適応の可能性を探る。
期間 2023年9月8日(金)~12月6日(水)
参加企業 株式会社アールプラスチックジャパンに資本参加しているレンゴー、カルビー、株式会社高速など12社が参加。
アールプラスジャパン 全ての使用済みプラスチックの再生を目指し、多様な価値を持つ40社が業界を超えて参画して、環境負荷の少ない効率的な再資源化技術の開発、実用化に取り組む共同出資会社。

 原料・容器包装製造、消費財開発・販売、流通、回収・選別など、プラスチックに関わる全てのバリューチェーン上の企業が参画するアールプラスジャパンの、”「すてる」をなくす、「みらい」をつくる。”を実現する世の中の姿に賛同し、発足時から参画してきたとして、レンゴーは適切に回収・再資源化される仕組みの構築に主体的に関わり、プラスチック資源循環の実現に貢献していく考えであると表明しています。


2.School POP🄬のラインアップを増強

 日本製紙は8月31日、学校給食牛乳用ストローレス容器School POP🄬のラインアップを増強し、従来の200mlに加え、300mlの多容量タイプを発売したと報じました。同タイプは「とちらく牛乳 300ml」に初採用され、夏季限定で9月上旬から学校給食用途に使用されるとのこと。
 合わせて同社は群馬県、富山県、愛知県でのSchool POP🄬の導入が決まり、9月からSchool POP🄬の採用エリアが18都府県に拡大することも発表しました。ストローレスの同製品の採用エリアの拡大で、従来からの採用分と合わせて200トンの使い捨てプラスチックを削減できる計算になるとしており、同社はさらなる採用エリアの拡大に向けた取り組みを加速していくとしています。


【その他の市況/状況】

1.三菱製紙 環境配慮の感熱ラベルを開発

 三菱製紙は9月4日、再湿糊型(水で湿らせて貼り付けるタイプ)で台紙を無くし、剥がしやすくするための化学品もなくした再湿糊型ライナーレス感熱ラベル「ウオーターサーマル」を開発したと発表しました。電子商取引市場の拡大に伴い包装に貼付するラベルの需要も堅調であるとして、環境配慮型の新製品を国内外に紹介していく計画です。
 再湿糊対応のラベルプリンターについては三栄電機株式会社が試作機を完成させており、優れた印字と接着性の発現を簡易かつシームレスに達成することに成功したとして、9月11~14日にベルギーで開かれるラベル展示会に同社ドイツ子会社のブースで「ウオーターサーマル」とラベルプリンター試作機の組み合わせによるデモンストレーションを行う予定であるとしています。


2.家庭紙市況についてのインタビュー記事掲載

 8月30日付の日本経済新聞紙上にて、家庭紙の市況に関する王子ネピア社長のインタビュー記事が掲載されています。同氏によれば、

・販売価格は値上げ後の水準を維持。需要もコロナ前の水準に戻ってきている。
・割安な商品にシフトしている印象もあるが、肌触りが良い最高級品などには固定客がついている。
・洗顔専用ティッシュが若い女性などに人気で、今秋から本格販売を始める。

とのことで、日常の家庭紙については取引価格を維持し、付加価値を高めた商品を強化することで新市場を開拓する戦略について説明しています。


【印刷、製品、その他関連】

1.イオン プラスチック製から紙製に

 イオン株式会社・イオンリテール株式会社は9月4日、レジ袋をプラスチック製から紙製に切り替えると発表しました。公式サイトに掲載されたニュースリリースによると、

内容 全国の総合スーパー「イオン」「イオンスタイル」全523店舗の、衣料、日用品・暮らしの品売り場で提供している有料プラスチック製レジ袋を、有料紙製レジ袋に切り替え。
開始日 2023年10月5日(木)より順次
目的 使い捨てプラスチックの使用のさらなる削減。切り替え後の紙製レジ袋には森林認証紙、植物性インキを使用。
この切り替えにより年間で使い捨てプラスチック約450トン相当が削減できる見込み。

 同社は1991年から「買物袋持参運動」に取り組んでおり、2022年度に辞退されたレジ袋は約33億枚、使い捨てプラスチック約22,600トン相当とのことで、今後もお客様とともに資源の無駄使いや使い捨てを見直し、脱炭素社会の実現に向けて取り組んでいくとしています。


※文中敬称略
※文章は2023年9月7日現在、新聞記事などを基に華陽紙業にて編集しております。実際の動向についてはお客様にて総合的にご判断頂きますよう、お願い申し上げます。