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【紙のソムリエ】番外編 シート先輩とコマキさんの紙に関する四方山話28 木材調達②

「シート先輩、今お時間宜しいですか?」
「どうしたの、コマキさん?」
「先日の、紙の原料である木材調達について、もう少し詳しくお聞きできたらと。」
「じゃあ、今まであまり話していない、違法伐採対策の話なんかどう?」


「その前に前提条件として、コマキさん、紙に関する『誤解を解く6つの真実』って覚えてる?」
「紙の環境負荷に関する誤解を解くために、日本製紙連合会さんが客観的な数値を示して作成されたパンフレットですね。」
「そう。その①が『紙の生産・消費が世界の森林減少の原因、という話は事実と異なります』だったよね。そこで明らかにされているのが、

国連食糧農業機関の調査によると、
・2010~2020年の間に世界の森林が年平均470万ha減少している。
・森林減少の速度が高い地域はアフリカ、南米の熱帯地域
その原因は、環境省の資料によると
・農地等への転用
・違法伐採
・非伝統的な焼畑農業
・燃料用木材の過剰な採取
・森林火災
などで、
国連食糧農業機関の調査報告書には
・世界的にみて、木材及び非木材林産物の生産を主たる目的として指定された森林面積は1990年以降、一定
と報告されている。

ということ。」
「『木材及び非木材林産物』のひとつが製紙用ということですね。」
「そう。だから『紙の生産・消費が森林減少の原因』というのは誤解ですよ、ということなんだけど、環境省の資料で森林減少の原因の一つに挙げられているのが」
「違法伐採、ですね。」
「そうだね。この違法伐採に関しては、

1998年 世界の森林に関する行動計画である「G8森林行動プログラム」がG8外相会合・首脳会合で合意。
2002年 違法伐採対策を含む最終報告書取りまとめ
2005年 英国開催のグレンイーグルズ・サミットでG8各国が違法伐採対策を推進することで合意。
同サミットにおいて日本政府は、グリーン購入法を用いた政府調達などにより、違法伐採対策に取り組むことを表明。
2006年 グリーン購入法の判断基準に、紙類を含む木材・木材製品について、合法性が証明されたものであること、を追加。

っていう世界の流れがあって、製紙業界でも意識して対応されるようになったっていう経緯がある。」
「具体的には、どんな対策が取られているのですか?」
「違法伐採対策に関連することだと、

各企業の取り組み ①原料調達方針を策定・開示
 各国の法令を遵守して木材などの原材料を調達することを表明
②合法性を証明するためのシステムを構築・実施
③調達方針に関する各年度の進捗状況を開示
④クリーンウッド法で定められた木材関連事業者として登録し、対象物品の合法性を確認
日本製紙連合会の
取り組み
・2006年、『違法伐採問題に対する日本製紙連合会の行動指針』を公表。違法伐採に強く反対し、違法に伐採された木材製品などを取り扱わないことなどを表明。
・2007年度から『違法伐採対策モニタリング事業』を開始。会員企業の違法伐採対策の取り組み状況のモニタリングなどを行い、報告書を公表。

などが行われているね。」

「もちろん違法伐採対策だけじゃなくて、植林や森林認証の活用、間伐材・未利用材の活用拡大とかの他の対策も含めて調達方針を決めて、その指針や行動計画に合わせて各社活動されているよ。」
「10年、20年の長期で環境負荷低減に努めておられるということですよね。」
「もっとかな。原材料だけでなく、水や空気といった周囲の環境について、製紙産業は常に注意を払って負荷を低減するようにいろいろな策を講じてきている。それに加えて、さらにできることを探すなかでの、環境負荷対策コスト、という言葉なんだと思うよ。」
「こういった努力をもっと皆さんに知って頂きたいですね。」
「そのためには僕たちももっと頑張らないと!いっそのこと駅前とかで叫んでこようかな?」
「二酸化炭素排出量が増えそうですね。」
「コマキさん・・・ここも笑うとこ・・・・・・」