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【紙のソムリエ】番外編 シート先輩とコマキさんの紙に関する四方山話㉑本の紙
「コマキさんって読書が趣味なの?休憩時間、よく読んでるよね。」
「お疲れ様です、シート先輩。そうですね。読書は好きです。スマホでも読むのですが、本自体が好きなので、紙の書籍も買いますね。」
「文庫本?」
「持ち歩くのは文庫本が多いですが、文庫本になるのが待てなくて単行本を買ってしまうこともあります。」
「デジタルだとコンテンツがあればそれで読書できますけど、紙の書籍の場合は本文だけ、というわけにはいきませんよね。」
「そうだね。最低限、表紙は必要だし、一般的に流通している本だと、カバーに帯、見返し、扉くらいはあることが多いよね。」
表紙 | 文庫本やソフトカバーだと厚めの色上質紙やファンシーペーパー、高級板紙、塗工紙などが表紙の紙として用いられる。ハードカバーと呼ばれる固い表紙の本では、芯にボール紙を使用し、布クロスやファンシーペーパーなどを貼り合わせたものが表紙の紙として用いられる。 |
カバー | 塗工紙やファンシーペーパーなどが用いられる。ラミネート加工や箔押しなど、特殊な加工がされる場合もある。 |
帯 | 塗工紙やファンシーペーパーなどが用いられる。カバーと同様の特殊加工が施されたり、片艶クラフトやトレーシングなどあまり使われない紙で目を引く場合もある。 |
見返し | 表紙を開いたすぐ内側に入れられ、表紙や本自体の補強の役目を果たす紙。色上質紙やファンシーペーパーなどが使われることが多い。 |
扉 | 本文のすぐ前に入れられる、本のタイトルなどが改めて表示される部分。本文と同じ用紙が使われるほか、ファンシーペーパーやトレーシングなどが使われる場合もある。 |
「塗工紙やアートポスト、色上質紙、ファンシーペーパーなんかが使われるのが一般的だけど、トレーシングに箔押しとか、和紙を使うとか、変わった製本をされていることもあるよ。」
「文庫本でも『しおり』に凝った紙や加工をされているときがあって、どうしても買わないと!という気にさせられたりしますよね。」
「こうやって改めて考えると、本って、いろいろな紙と高度な技術の結晶なのですね。」
「その割には、比較的安価な楽しみだよね。紙の書籍は年々売上が減少していたけど、巣ごもりでその減少幅がかなり小さくなった、っていうのも、そういうところが評価された面もあるのかも。」
「ただ単に高価な紙、変わった紙を使えば良い、というわけでもないのも良いですね。内容に合った紙、内容を引き立たせる加工、そういうことを考えて紙の提案をしていけたらと思います。」
「なんて立派な・・・!コマキさんは、見返しなら『効き紙』の方だね!」
「え・・・それだと先輩は『遊び紙』・・・?」
「・・・・・・」