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【紙のソムリエ】番外編 シート先輩とコマキさんの紙に関する四方山話27 木材調達①
「どうしたの、コマキさん、溜め息ついて。」
「すみません、シート先輩。紙の値上げについてお客様にアナウンスしたのですが、うまくご理解頂けなかったみたいで、つい。」
「原材料の高騰、海外素材市況の上昇、燃料費や物流費の上昇、環境対応コスト。そういった要因についてお客様も良くご存じだろうけど、紙以外の値上げでも同じことが挙げられているからね。」
「原材料・・・紙の場合はここ数年、古紙価格の高騰がコストアップの要因と言われていましたね。」
「古紙とチップが、紙の根本的な原材料だからね。」
「古紙のリサイクルはよく知られていますが、木材の調達に関しても製紙業界はいろいろな取り組みをしていますよね。」
「各メーカーさんも公式サイトで取り組みを発表されているし、日本製紙連合会さんのサイトでは、
・「持続可能な森林経営」を根幹とする、木材調達に関するスタンス
・森林認証制度
・低質材や間伐材、計画的に伐採された天然林材、製材残材など、建築材や木材として利用価値の低い木材をチップとして活用する、木材の有効利用
・植林
・違法伐採木材対策
・クリーンウッド法
等について取り組みが紹介されているね。」
「クリーンウッド法、というのは初めて聞きます。」
「2017年5月に施行された『合法伐採木材等の利用及び流通の促進に関する法律』のことだね。木材や木材製品を取り扱う事業者はその木材や木材製品が合法的に伐採されたもの由来であることを確認するようにしなさい、ってことを核にした法律だよ。」
「紙は木からできている、ということはみんな知っていても、その大切な原材料を守るために製紙業界が様々な取り組みをしていることは、まだまだ知られていないように思います。」
「古紙のリサイクルと同じように、知ってもらうための努力をしていかないといけないってことなんだろうね。」
「今まであまり深く考えず『環境対応コスト』という言葉を使っていましたが、取り組みについて具体的にご説明してご理解頂くようにした方が良いのかもしれませんね。シート先輩、有難うございます。」
「どういたしまして。これでコマキさんの溜息が減れば、二酸化炭素排出量の削減にも貢献したことになるのかな?」
「では排出量の計算も学習しなくてはなりませんね。」
「いや、コマキさん、そこは笑うとこ・・・」