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【紙のソムリエ】特別編 紙の基礎知識②

春を迎え、新入社員さんや異動の方に改めて紙の基礎知識を知って頂く必要が出てくる会社様もあるかと存じます。
2025年、3、4、5の3か月は「特別編」として、紙の基礎知識を改めて簡単にご紹介させて頂きます。

紙の基礎知識②

紙の性質・用語
巻取と平判 輪転印刷機と枚葉印刷機に合わせ、製紙メーカーにて紙は巻いたものと長方形に切ったものの2種類に仕立てられます。輪転機に合わせてトイレットペーパーのように巻いてあるものを「巻取」、枚葉機に合わせて長方形に切られたものを「平判」と呼びます。
紙の目 紙は網の上を流れながら成形されるため、機械の進行方向に平行に繊維が並ぶ性質があります。この性質を「紙の目」あるいは「紙の流れ目」と呼び、平判の場合、長辺に平行に繊維が沿って並んでいるものを「縦目(T目)」、短辺に平行に繊維が沿って並んでいるものを「横目(Y目)」と呼びます。
目の性質 紙の目には
・目と並行の場合は折りやすいが、垂直の場合は折りづらく、折り線が歪む場合がある
・目と平行には破きやすいが、目と垂直には破りにくい
・湿気があると目と垂直方法に膨張しやすく、目に沿ってカールする
という性質があります。詳しくは、当社サイトの『紙のソムリエ』バックナンバー「目を無視すると、とっても怖い?」もご参照下さい。
紙の耳 和紙などで、漉いた状態のまま紙の端を整えていないものを「耳がある」と言います。「耳付き」として商品化されているものもあります。
紙の腰 紙の弾力性、柔軟性を「紙の腰」と表現します。持った時にくたりと垂れてしまうような紙は「紙腰が弱い」「腰がない紙」、折り曲げても反発するような強さがあれば「紙の腰が強い」といったように表現します。
白色度と白さ 紙の白色度はJISで規定されており、特定の光を当てたときの光の反射率で数値化することが決められています。ただ、この「白色度」と「見た目の白さ」は一致しない場合もあり、紙に蛍光剤が付加されていたり、紙に青みがつけられているような場合は、そうではない紙より白く見えたりします。
紙の規格
原紙寸法と名称 紙の寸法には「四六判」や「菊判」など特有の名称があり、それに対応するミリ寸法がJISで規定されています。
主な寸法については当社サイト「紙のソムリエ」バックナンバーの
「菊判?A判?」
「紙の寸法と取り都合」
をご参照下さい。
紙の数量の単位のひとつ。紙の場合は「1,000枚=1連(1R)」、板紙の場合は「100枚=1B連(1BR、1ボード連)」と呼びます。
連量 紙1R、あるいは板紙1BRあたりの重量(kg)。例えば「連量55kgの紙」は「1,000枚の重量が55kgの紙」になります。
紙は薄いため、この「連量」を厚さの代わりに用いたりします。
米坪 紙1平方メートル当たりの重量(g)を紙の「米坪」あるいは「坪量」と呼びます。「連量」と同じく厚さの代わりに用いたり、「連量」を計算するのに使ったりします。
紙の厚さ 紙1枚の厚さ。単位はマイクロメートルと非常に薄く、専用の測定器(ゲージ)を使って測ります。
「連量」「米坪」の項で、「連量や米坪が厚さの代わりに用いられる」と書きましたが、それは同じ種類の紙の場合で、紙の種類が違う場合、「連量や米坪が同じだから厚さも同じ」とはならないのが重要な注意点です。
紙の品種

 本ひとつをとっても表紙用、見返し用、扉用、本文用、とそれぞれの紙が違うように、紙には様々な品種があります。
 主な品種を簡単にご紹介します。

紙の分類 紙は大きく分けて
・新聞用紙
・印刷・情報用紙
・包装用紙
・衛生用紙
・雑種紙
板紙は
・段ボール原紙
・紙器用板紙
・雑板紙
に分類されています。
非塗工紙
塗工紙
印刷再現性を上げるために表面に塗工を施して平滑性を上げた印刷用紙を「塗工印刷用紙」といいます。
これに対し、原紙表面に塗工を施していない印刷用紙を「非塗工印刷用紙」といいます。
上質紙 化学パルプを100%使用し、白色度75%程度以上の非塗工印刷用紙を「印刷用紙A」と呼んでいます。
「上質紙」はこの「印刷用紙A」に属しており、汎用性が高く、書籍やチラシ、取扱説明書など、様々な用途に使用されています。
上質コート紙 上質紙をベースに、両面で40g/㎡以下の塗工を施された塗工印刷用紙。カタログやパンフレットなど、商業用途で広く使用されています。
印刷面・白紙面ともに高光沢の「グロスコート」、印刷面・白紙面ともに輝きが抑えられた上品な印象の「マットコート」、印刷面は高光沢で白紙面の輝きは抑えられた「ダルコート」などの種類があります。
色上質紙 上質紙に色をつけた印刷用紙。紙自体に色がついているので背景色をする必要がなく、チラシやリーフレットなどに使用されています。
包装用紙 包装用途に使用され、「クラフト紙」とも呼ばれている品種。原紙が漂白されていない「両更クラフト紙」、漂白された「晒クラフト紙」、漂白され片面に光沢をつけた「純白ロール紙」「片艶晒クラフト紙」などの種類があります。
段ボール原紙 段ボールをつくるための原紙となる板紙。段ボールの外側の部分となる「ライナー」と、中層の波形の部分の原紙である「中芯原紙」があります。
白板紙 食品、日用品、化粧品など、周りの様々なパッケージの原紙として使用されている板紙。塗工・非塗工がありますが、塗工のものが多くなっています。
衛生用紙 ティッシュペーパーやトイレットペーパーなど、衛生用途に使用される紙。インバウンドの増加や生活様式の変化などにより、近年需要が増加しています。