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今年の紙業界の見通しは 〜第63期経営計画発表会 ご来賓のお話より〜 |
世界景気悪化の影響が様々に顕現し始めている昨今、
今年の紙業界はどのように動いていくのでしょうか。
去る1月17日に行われました弊社経営計画発表会にて
ご来賓としてご出席賜りました王子製紙・鈴木支社長様と、日本紙パルプ商事・木全支社長様のお話を、
今年の紙業界の動きを把握するご参考としてご紹介させて頂きます。 |
※阪神淡路大震災など、数々の危機に比べれば大したことないと見る向きもあり、個人的にはその説を採用したい。 |
@年初の偽装問題
紙業界の意識の低さが露呈した事件であり、大いに反省し真摯に対処した問題となった。
A6〜10月の大幅な価格修正
・・・結果、秋需発生せず⇒在庫増、受注減から大減産へ
王子製紙 1月は50%以上の減産
富岡の新マシンは1月稼動予定を先送り
富士の8号マシンは2月〜3月末頃にスクラップの予定
B名古屋の洋紙販売
11月は対前年86.7% 8,000トン強の落ち込み
コートだけだと対前年76.5% 900トンの落ち込み
⇒どこまで落ち込むか予測できない状況 |
資源価格の低下等の好材料から、春から年半ばには回復するとの見方もあるが、これは立場上からの発言か?
輸出の落ち込みや経済マイナス成長予測等の材料より、王子製紙・篠田社長からは、
2009年は「我慢の一年」であり、より一層のコスト削減をと指示されている。
日本製紙グループ本社・芳賀社長からも「先行きが見えず、内需の落ち込みは底が見えない」との発言がある。
※危機に対処するため必要なこと
@危機感を全員で共有
Aコスト削減・コスト改善・・・過剰品質の見直しも必要
B需要と生産のバランス
C設備の全体の見直し・・・新マシンの稼動と老朽マシンの廃棄
D説明責任を果たす・・・価格維持の必要性
E国際競争力・・・今後の最重要キーワードは「環境対策」
CO2削減、化石燃料の転換、省エネ活動を進める |
王子製紙は
国内事業の基礎強化を図る「内なる充実」
紙パルプの世界企業を目指し「外への発展」を基本方針としています。
キーワードは
「情熱、誠実、連帯」です。 |
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2007年の漢字は「偽」
2008年の漢字は「変」だったが
2009年の漢字は連帯を示す「絆」になればと思う。 |
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昨年前半・・・原燃料高・古紙需給逼迫・価格上昇
↓
9/15以降の金融危機により一変
各種産業の危機的状況(工作機械受注・・・70%台のダウン、輸出額・・・20数%ダウン)
今後必要とされるのは「変革」
知らない間に変わるのが「変化」
こちらから変えなければならないのが「変革」 |
・・・紙業界も、今後は世の中の好不況に左右されると判断
@ 1月対前年実績
10数%の落ち込みは必至か
王子製紙は「2割の落ち込みも覚悟」としているが、2割落ち込むと赤字の先が大半では。
A 倒産状況
2008年の倒産件数は対前年11%増 3年連続で増加
10産業のうち9産業で増加・・・卸は8.3%増
日本の全地域で増加・・・中部地区は3.7%増も、今後はもっと増えると予測
状況を鑑みて、適切な与信管理が必要
その他、貴重なお話を色々お聞かせ頂きました。
有難うございました。
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