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古紙リサイクル適性ランクリストにより、リサイクルにおいて阻害要因となる資材とならない資材が明確にされました。資材ごとの阻害性が明確にされたことにより、リサイクル対応型印刷物は大きく「A型」と「AB型」に分類されます。 |
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■古紙リサイクル適性ランクリストのAランク資材のみを使用して製作されたリサイクル対応型印刷物が「A型」です。古紙になった場合、印刷、情報用紙向けの製紙原料として使用が可能です。
■古紙利用率目標62%を達成するためにも、「A型」の製作、分別・回収、リサイクル利用の仕組みの確立は、重要な意味を持っています。 |
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■「AB型」は、古紙リサイクル適性ランクリストのAランクとBランクの資材のみを使用して製作されたリサイクル対応型印刷物です。古紙になった場合、「板紙」向けの製紙原料として使用が可能です。
■「AB型」の特徴は、リサイクルを阻害するCランク、Dランクの資材が、使用されていないことが明確な点です。これにより、古紙としての最低限の品質を確保することができます。 |
印刷物製作の企画段階からリサイクルに適した印刷資材を選択することができるように、紙、インキ類、加工資材などの資材ごとに阻害性の明確化、リスト化を行ってきました。 |
下表の古紙リサイクル適性ランクリストとは、印刷物の製作で使われる資材を古紙リサイクルへの適性ごとに、A〜Dのランクで示したものです。 |
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紙、板紙へのリサイクルにおいて阻害にならないもの。 |
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紙へのリサイクルには阻害となるが、板紙へのリサイクルでは阻害にならないもの。 |
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紙、板紙へのリサイクルにおいて阻害になるもの。 |
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微量の混入でも除去することが出来ないため、紙、板紙へのリサイクルが不可能になるもの。 |
21世紀は環境の世紀と言われ、地球温暖化防止や循環型社会形成といった持続可能な社会づくりに向けて関係各主体が連携し、一体となった取り組みが求められます。 |
古紙は、日本全体の循環資源の1割を占める重要な資源です。2007年、製紙原料に占める古紙の割合(古紙利用率)は、61.2%で、ごみの減量化だけでなく、森林資源の保全、地球環境の保全に貢献しています。現在、資源有効利用促進法にもとづき、2010年度までに古紙利用率を62%に向上させる目標が設定され製紙業界、古紙業界を中心にその達成に向け、取り組んでいます。 |
古紙の用途は、段ボールや紙箱(白板紙)などの「板紙」向けと、新聞用紙や印刷・情報用紙などの「紙」向けに分けられます。それぞれの古紙利用率は、「板紙」が92.9%と非常に高く、今後古紙利用率の向上余地は少ないのに比べ、「紙」は39.2%に留まっています(2007年)。 古紙利用率62%を達成するには、「紙」分野の古紙利用率の大幅な向上が必要です。そのためには、出版物などに使用される印刷・情報用紙をもう一度、印刷・情報用紙向けの製紙原料として回収・利用できるようにすることが大切です。 |
用紙、インキ、製本や表面加工、シールなど印刷資材の中には、製紙工程でトラブルの原因になるものや、製品(紙・板紙)の品質に影響を及ぼすものがあります。 そこで関係業界が協力して、リサイクル阻害性を克服した資材の開発、評価方法の確立に努め、普及を進めてきました。今後は、リサイクルを阻害しない資材だけを使って、まるごとリサイクルできる印刷物(リサイクル対応型印刷物)を普及させることが重要です。 |
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