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「紙のソムリエ」 水谷美昭です。
夏本番になりました。暑い時期は体力が消耗され易く、冷たいもので胃腸も弱りがちですので充分にご注意を。
今回は紙の基礎知識について
下記の3テーマについて説明します。 |
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紙の流目(目なり)について教えてください。 |
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※紙の「流目」とは紙を抄造(紙を抄く、紙の製造)時に、紙の原料である植物繊維の並びがほぼ進行方向に対して平行方向に向く事により紙の折適正に特徴が有り、その表記の方法です。 |
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紙の表裏差について教えてください。 |
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※紙の抄造時には植物繊維と混合された添加剤及び水を使用します。
抄造の初期の段階でそれら混合された原料がワイヤーの上を流れて行きますが、その際に含まれている水が落下していきます。
その為に紙となる上面(表)に対し下面(裏)は水が落下する事により紙の肌がラフになります。その紙の肌の若干の差が紙の表裏差です。 |
※抄造された紙で非塗工紙(上質、中質紙等、紙の表面に塗料を塗布していない紙)には表裏差が有ります。但し塗工紙(アート、コート等)は紙の表面に塗工剤を塗布する為、表裏差は出ません。
紙を両手で挟み滑らせる事等により若干の滑り方の差が感じられる場合がありますが、現在の一般紙については抄造技術の進化によりほとんど表裏差は問題にならないようです。但し、特殊紙(ファンシーペーパー等)には明らかな表裏差の有る紙も有りますのでご注意下さい。 |
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紙の白色度について教えてください。 |
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※白色度とは紙の白さの程度を表し、完全拡散反射面に対する反射量の比率(%)で示します。白色度は計器で計測します。
従って、人間の視覚で感じる白さとは若干差の出る場合が有ります。人間の目には青みを白く感じる傾向がある為、白さを強調する場合に青みの添加料を加えた商品が有ります。
JISでは拡散照明方式によるISO白色度が規定されています。
一般にバージンパルプ(新品の植物繊維)使用の紙は80%程度。再生紙(古紙)の紙は70%程度、新聞用紙は55%程度です。あくまで目安ですので商品毎の白色度にご注意を。又、紙の白色度、色は印刷仕上がり(色、イメージ等)にも大きな影響が有ります。 |
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