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「紙のソムリエ」 水谷美昭です。
地球温暖化の為か雨や竜巻、それに暑さと天候が異常ですね。天候に左右される紙の原料となる植物にも当然大きな影響が有るわけですが人間の心身にも異常をもたらす感じです。もはや対策に猶予は有りません。
今回は紙の原料のパルプの種類についての基礎知識です。 |
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パルプの分類について教えてください。 |
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パルプの分類⇒パルプとは製紙に用いられる(セルロース)繊維の集合体の事です。
製紙原料としてのパルプは、同一材質であっても製法により、各種のパルプに分かれます。 |
分類 |
針葉樹(NP) |
広葉樹(LP) |
生育特徴 |
温帯、亜寒帯、寒帯 |
温帯、亜熱帯、熱帯 |
セルロース繊維 |
およそ2〜3mm |
およそ1mm前後 |
特徴 |
広葉樹に比べ酸に強く、強度大きい |
針葉樹に比べ水で膨張しやすく、酸に弱く、強度も小さい。アルカリ性の蒸解薬液でパルプ化したものは透明度が高く比較的強度の高い紙が得られる |
パルプの種類 |
特徴・製法等 |
@機械パルプ
(MP) |
・木材、まははチップを水とそのまま又は熱処理しながら機械的に解繊する
・低廉で不透明度・高速抄紙性に富んでいる為、新聞用紙、更紙等の下級紙や繊維板等に使用
・大きなパルプ強度は及び高白色度はは望めない
・製造方法により下記に分類
◆砕木パルプ(GP)⇒材木を水にぬらしながら砕木機の回転する砥石面に押し当てて解繊
◆リファイナーグラウンドパルプ(RGP)⇒木材チップを水とともにリファイナーで機械的に解繊
◆サーモメカニカルパルプ(TMP)⇒熱処理と機械処理を併用 |
A化学的機械パルプ
(CGP) |
・木材を軽く化学的に処理し、繊維間の結合力を緩め、機械的に摩砕して繊維を解離したもの |
B半化学的パルプ
(SCP) |
・セミケミカル法で製造したパルプで、原料は主に、広葉樹が用いられ、吸収率が高い
・未晒(みざらし)のものは、中しん原紙、新聞用紙の主原料となり、晒(さらし)たものは化学パルプに混用 |
C化学的パルプ
(CP) |
・生産量は他のパルプに比べ圧倒的に多く主流のパルプ
・機械的パルプに比べきわめて純度が高く、またはるかに強度が高い
・製造方法により下記に分類
◆クラフトパルプ(KP)⇒
・
生産の主流を占める。別名、硫酸塩法(サルフェイト法)とも言う。
・木材をチップにして薬品(苛性ソーダ)を加え熱処理をする
クラフトパルプ晒(さらし)(BKP)
クラフトパルプ未晒(ざらし)(UKP)
◆亜硫酸パルプ(SP)、アルカリパルプ⇒少量生産 |
@製紙パルプ(PP) ⇒ 上級紙、中級紙、下級紙、新聞紙等の原料
A溶解用パルプ(DP) ⇒ レーヨン、セロファン等化学製品の原料 |
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古紙品種分類体系及び品種について教えてください。 |
品種分類 |
該当品種の説明 |
大項目 |
小項目 |
古紙 |
上白・カード |
インク刷りのない上質紙の截落、統計機カードの使用済のもの(洋カード・和カード) |
特白・中白・白マニラ |
インク刷りのない中質紙・更質紙の截落、着色・墨付のないマニラボールの截落および打抜き、中質紙または更質紙巻取の損紙(白損) |
模造・色上
(アート古紙を含む) |
墨付印刷のある上質紙、色刷りした上質紙および塗工紙(白截落を含む) |
切付・中更反古 |
インク刷りのある中質紙・更質紙の截落・中質紙・更質紙の反古紙、着色・墨付のあるマニラボールの截落および打抜(ケントマニラ) |
茶摸造紙古紙
(洋段を含む) |
クラフト紙の截落および反古紙、国産クラフトライナーの截落、海外段ボール箱の国内発生品及び輸入品 |
新聞 |
古新聞(駅頭販売等の残紙を含む)、輸入古新聞 |
雑誌 |
国産段ボールの截落および古段ボール箱並びにこれに準ずる輸入品 |
台紙・地券・
段ボール古紙・込新 |
白ボール、チップボール、色ボールの截落および打抜き、黄ボールの截落および白ボール、チップボール、色ボールの古箱、ワンプ(赤・青)、濃い色刷りのあるマニラボールの截落および打抜き、種々雑多の古紙の混入したもの |
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