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【紙のソムリエ】シートくんとロール先輩の紙修行 60 新入社員様向け紙の基礎知識②

「若手社員の皆様、こんにちわ!初心者マークがとれないけれど元気いっぱい、シートです!」
「こんにちわ。そろそろ初心者とか言ってられないよ、と心の中で呟く先輩社員、ロールです。」
「先月に引き続き、今月は、新入社員様にまず覚えて頂きたい紙の基礎知識、第2回をお届けします。」
「今月のテーマは『紙の規格』。寸法や厚さ、重さなどについてご説明させて頂きます。」

1.紙の寸法

「製紙メーカーさんが紙を抄いてシート状にカットして出荷するまでに仕上げた状態を(平判)原紙といい、この原紙にはメーカーさん共通で使用されているいくつかの規格寸法があります。日本工業規格(JIS規格)で定められたものもあれば、そうでないものもありますが、よく使うものは暗記しちゃった方が便利です。」
「ちなみに、(薄いもの)の寸法の単位はミリメートル板紙の場合はセンチメートルを使う、という決め事がありますので、一緒に覚えておいてくださいね。」

よく使われる規格寸法

名称 寸法
四六判 788㎜X1091㎜
B列本判(B判) 765㎜X1085㎜
菊判 636㎜X939㎜
A列本判(A判) 625㎜X880㎜
ハトロン判(H判) 900㎜X1200㎜
板紙

名称 寸法
L判 80㎝X110㎝
東京K判(関東K判) 64㎝X94㎝
大阪K判(関西K判) 65㎝X95㎝
S判 73㎝X82㎝

「『四六判』をどう読むのか、というご質問が来ることがありますが、正解は『しろくばん』。平判の紙の最も一般的なサイズの一つです。」
「紙屋さんは寸法のことを、数字をつなげて言ったりもしますよね。例えば四六判なら『ななぱっぱーのひとまるきゅういち』、菊判なら『ろくさんろくのきゅうさんきゅう』といった感じ。さりげなく言えると、ちょっと通っぽいかも?」

2.紙の厚さと重さ

「紙の厚さはマイクロゲージと呼ばれる計器で測ります。ただ、紙1枚は非常に薄いので、実際の取引では単位枚数あたりの重量で厚さを表現することが多くなります。」
「この『単位枚数あたりの重量』のことを『連量(れんりょう)』っていうんですよ。」

紙の単位枚数と重量
用語 内容
紙(薄いもの)の単位。1,000枚=1連(「1R」とも書く。読み方はいずれも「いちれん」)。
B連 板紙(厚いもの)の単位。100枚=1B連(「1BR」と書く方が普通。読み方は「いちびーれん」。「ボード連(ぼーどれん)」という言い方もある。)
米坪 読み方は「べいつぼ」。紙1平方メートルあたりの重さのこと。1平方メートル当たり100グラムの紙は「100g/㎡(100ぐらむへいべい)」と表記する。
連量 紙なら1,000枚、板紙なら100枚当たりの重量。実際の取引では、この連量(重さ)が紙の厚さを表す単位として用いられる。単位はkg。

「米坪と連量の関係は、連量(kg)=米坪(g/㎡)X紙の面積(㎡)X1,000(紙の場合)となります。」
「例えば、米坪64.0g/㎡の紙の四六判の連量は、64.0X(0.788X1.091)X1000=55.021312。紙の連量は小数点第1位を二捨三入七捨八入して0.5kg単位にする、という決め事があるので、この場合は『55kg』ということになります。」

3.連量と紙厚の注意点

「紙屋さんとの取引では連量で紙の厚さを表現することが多いです。例えば、『プリンスの四六判を1連下さい。』『厚さはどうしますか?』『55kg・・・いや、やっぱり70kgで』といった感じです。」
「でも、連量はあくまでも『重さ』であって、厳密には『厚さ』ではないんですよね?」
「そこが連量と紙厚の最大の注意点ですね。原則として

・同じ銘柄(プリンスならプリンス)であれば、連量が重い方が厚い
・違う銘柄、違う品種の場合は、連量が重い方が厚いとは限らない

ことに注意する必要があります。」
「最近は『軽くて厚い』紙が増えてきているから要注意ですよね。」
「例えば冊子物を作る場合、サンプルを作る時に使った紙と同じ連量の違う銘柄の紙を本番の時には使いました、なんてことになると、出来あがった冊子の厚さが全然違ったものになってしまったりします。厚さが重要なお仕事の時は必ず連量だけではなく紙厚を確認して下さいね。」

4.代表的な寸法と連量

「先程ご説明した計算式で連量を出すことはできますが、お見積りなどの際に1回1回連量を計算するのは大変です。こちらも主なものは覚えてしまった方が楽ですね。」
「上質とかA2コートとか?」
「まずはその2つから。慣れたら徐々に他のものも覚えていくと便利です。」

「格差って何?って思われた方もいらっしゃるんじゃあ・・・」
「紙の取引では標準より薄いもの、あるいは厚いものに関して割増料金が必要な場合があります。それを『格差』と呼んでいます。」

「新入社員様向け紙の基礎知識第2回『紙の規格』、いかがでしたでしょうか。」
「先輩・・・慣れない敬語で肩がこりました・・・・・・」
「そう?私は楽だけどなぁ。少なくともいつものシートくんを相手にしているよりははるかに・・・」
「先輩ひどい!僕の相手ってそんなに大変ってことですか!?」
「・・・次回は紙に関するいろいろな計算についてお届けする予定です。紙に関する疑問、質問などありましたら、お気軽にご連絡下さい。」
「否定して下さいよぉ・・・・・・」

(初掲載:2017年3月10日、加筆修正:2019年12月10日)

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