1. HOME
  2. ブログ
  3. 【紙のソムリエ】シートくんとロール先輩の紙修行 71 新入社員様基礎編⑫情報用紙①

【紙のソムリエ】シートくんとロール先輩の紙修行 71 新入社員様基礎編⑫情報用紙①

「新入社員の皆様、こんにちは。毎日寒いですね。」
「若手社員の皆様、こんにちは。1年で一番寒い時期、体調管理、大丈夫ですか?」
「ついこの前お正月だと思ってたのに、もう2月ですね。」
「1月は行ってしまう・・・とか言うものね。」
「何ですか、それ?」
「あれ?聞いたことない?1月から3月は行事ごとも多いし、うかうかしているとすぐ終わっちゃうよ、っていう意味の言葉なんだけど。」
「知らないです。でも、今は早く春が来てほしい!毎日寒いです・・・」
「そんなこと言ってると、すぐに新年度が来ちゃうよ。」
「新年度!コピー用紙の季節ですね!というわけで、今月は情報用紙のお話その①です。」

1.情報用紙

「コンピューターやコピー機、FAXなど、情報機器に使われる用紙は『情報用紙』に分類されています。」

「『情報用紙』の代表選手と言えば『コピー用紙』。コピー機だけでなくインクジェットやレーザーなど各種プリンターでも使われており、企業ではもちろん、ご家庭でも常備されていたりしますね。」
「この『コピー用紙』。紙業界では『PPC用紙』という名前で呼ばれています。」

2.PPC用紙

「PPCはPlain Paper Copier=普通の紙に複写できる複写機、のことです。それに使う用紙だからPPC用紙というわけですね。」
「PPC以前の複写機は、光で発色するように加工が施された、特別な紙を使用していました。現在のように、普通の紙にコピーが取れる複写機が開発、商品化されたのが1930~50年代。手軽に質の良いコピーが何枚でも取れるということで、普及当時はオフィスに革命をもたらしたと重宝されたそうです。」
「紙業界には、PPC用紙とは違う別の『コピー紙』があります。

コピー紙 手書きで文字などを写し取る時などに使う、薄葉の紙
PPC用紙 普通紙複写機、いわゆるコピー機で使用する紙

ただ、今ではもともとの『コピー紙』を使う場面が少なくなり、紙業界でもコピー用紙と言えばPPC用紙を指すのが普通となっています。」

3.PPC用紙の特徴

「PPCって、一見、普通の上質紙ですよね。上質紙と違う特徴ってあるんですか?」
「もともとコピー機に使う用紙だから

・トナーが均一に定着する
・紙詰まりを起こしにくい
・カールしにくい

等、求められる性能に応じた適性を持っているの。ただ、今は、コピー機に使われる以上にプリンターで使われることが多いでしょ?だから、特にマルチペーパーだってうたってなくても、プリント方式の違ういろいろなOA機器に対応している用紙であることが必要とされている。あと、今の時期特に注目されるのが環境適性。」
「入札ですね?」
「そう。もともと年度替わりで需要が多いのに加えて、今の時期特にPPC用紙が注目されるのは、官公庁の新年度の入札が始まっているから。官公庁がPPC用紙の品質で重要視するのが環境適性、いわゆるグリーン購入法適合商品であることが品質条件に入っているの。」
「今まではグリーン購入法っていうと古紙配合率が注目されていましたけど、これからは森林認証の部分も今まで以上に注目されそうですよね。」

「そう言えば、富士ゼロックスが本家のアメリカのゼロックスと統合するって、この前ニュースになってましたね。」
「正確には富士フイルムホールディングスがゼロックスを取得して、富士ゼロックスと統合する、って話だけどね。デジタル化が進んで、先進国では事務機の需要が落ちてきているから。ただ世界規模で見ればこれから伸びる市場もあるし、統合効果も出てくるっていう判断らしいよ。まあ、まだ話だけで、統合が実現するかどうかはこれからだけど。」
「ゼロックスって最初に普通紙コピー機を商品化して、『革命をもたらした』会社ですよね。そんな会社でも統合されちゃう時代か・・・」
「ぼけっと感慨に浸ってないで頑張らないと、そのうちシートくんもそっちの意味で買収されちゃうよ?」
「あ、僕は大丈夫です。買収されるような技術とか知識とか持ってないですし。」
「・・・それは全然大丈夫じゃない・・・・・・」

※2019年12月11日現在、富士ゼロックスとゼロックスの統合の話はなくなっており、米ゼロックスと米HPの統合話がどうなるかに注目が集まっています。

(初掲載:2018年2月10日、加筆修正:2019年12月11日)

関連記事