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新入社員シートくんとロール先輩の紙修行 ⑦ 色上質の「白」って上質紙じゃないの?

今日はチラシの仕事を任されたシートくん。
『紙は色上質で。紙の色と印刷色に関しては、何点か提案してくれるかな、シートくんのセンスでね。』お客様に言われて、シートくん、はりきって色上質の見本帳をめくっています。
「和菓子屋さんだから和風なイメージ・・・だと、単純すぎるかな?若いお客様に来てほしいって言ってたから、もっとポップな感じ?でも、あんまり軽いのも似合わないような・・・」悩むシートくんの姿に、通りがかったロール先輩、立ち止まります。
「何をうんうん言ってるの、シートくん。」
「あ、ロール先輩、お客様からチラシの仕事を頂いたんですけど、何色の紙で提案しようかなって悩んでるんです。」
「デザイナーさんに聞かないの?」
「・・・聞く前にまず自分で考えてみたいかなって・・・」自信が無いせいか声が小さくなるシートくんでしたが、ロール先輩、にっこり笑って肯きます。「えらいね、シートくん。頑張ってね。」そのまま通り過ぎようとするのを、シートくん、慌てて呼び止めます。

「先輩、ぼく、ちょっと前から不思議に思ってたんですけど」
「?」
色上質って、上質紙に色がついてるものですよね。」
「まあ、ものすごく大雑把に言うとそうだね。」
「じゃあ、色上質の白って、何のためにあるんでしょう?上質紙じゃダメなんですか?」

シートくんがそう言うと、ロール先輩、にっこり笑みを深めます。
「ああ、私もそれ思った、新入社員の時。」
「でしょ?」
「思ったから、メーカーの人に聞いてみたんだよね、上質紙と色上質紙ってどこが違うんですか、って」
「それで、メーカーの方は何て?」
「簡単に言えば、分類が違います、って」「へ?」

「上質紙と色上質紙の違いを表にするとこんな感じ」

分類 特徴 用途等
上質紙 「非塗工印刷用紙」中の
「上級印刷紙」
化学パルプ配合率が
100%の洋紙。
もっとも一般的な洋紙で
汎用性に富む。
商業印刷一般、紙製品、書籍本文、雑誌のグラビア 等
色上質紙 「特殊印刷用紙」中の
「色上質紙」
上質紙ベースに
染料で着色した洋紙。
チラシ、表紙、目次、見返し、プログラム、カタログ、健康保険証 等

「元々、ファンシーなんか無い時代に、街の軽印刷会社さんの『手軽に印刷出来て、それなのに、お客様にインパクトを与えられる紙が欲しい!』っていう要望から生まれたのが色上質紙なんだって。最初は色も限られていたけど、お客様の要望でどんどん増えていって、今では、北越紀州製紙では33色大王製紙では32色の色がラインナップされているの。色の対比による効果については、勉強したことがあるでしょう?」
「えっと、補色を使うとインパクトが出て、類似色や同系色なら印象が落ち着く、っていうのですね?」
「そういうこと。紙の色のバリエーションが増えた分、印刷色との組み合わせも増えて、お客様に与える印象も多様になった。紙に色がついている分、ベタで1色使う必要が無いから、コスト抑えめで多色刷りの効果が期待できる、て評判になったんだって。」

「でも先輩、色上質の特長がまさに『色』だって言うんなら、やっぱり『白』って要らないんじゃあ・・・」
「シートくん、色上質の白と、上質紙を比べてみて。」
「・・・そうか、『白』って、ものすごく白いんですね。」
「そうでしょ?北越紀州製紙の場合、蛍光染料が使ってあるのは、33色中、『白』だけなんだって。
原料の古紙に蛍光染料が混ざっている場合があるから、全く蛍光染料が検出されないかっていうとそうとは言えないらしいんだけど、少なくとも製造工程で蛍光染料を使っているのは『白』だけ。『より白く』っていう要望に応えるためで、その白さを生かして、色上の白は高級封筒の原紙に使われる場合が多いんだよ。」

「でも先輩、普通の上質紙にも蛍光染料って使ってあるんじゃなかったでしたっけ。」
「そうだね。あるメーカーの上質紙の場合、元々学習参考書の本文なんかに使われてたのが、先生方の『もっと白く』って要望に応えるために、蛍光染料を使ってどんどん白くなっていったっていう経緯があるらしいよ。」
「へえ。」
「でも、逆に、食品関係に使われる場合は蛍光染料が入ってちゃあダメなんだよね。お客様によって使い分けが必要なこと、覚えておいてね。」

「この話を聞いた時、メーカーの方に色上の白の面白い採用例を教えて頂いたんだけど、その話はまた今度ね。」
「え、何で勿体ぶるんですか?」
「勿体ぶってるわけじゃなくて、少なくともシートくんが知ったかぶりするためだけに話して良い話だとは思えないから。」
 ぴしゃりと指摘されて言葉に詰まるシートくんなのでした。

(初掲載:2012年10月10日。文中の『北越紀州製紙』は現・北越コーポレーション。加筆修正:2019年11月12日)

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