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【紙のソムリエ】シートくんとロール先輩の紙修行 21 そういう時期?~片面アート紙~

「ただ今戻りました。」
お得意先から戻ってきたシートくん。すぐにロール先輩のもとに駆け寄って頭を下げます。
「先輩、ラベルの手配、有難うございました。無理言ってすみませんでした。」
お客様からどうしても急ぎと言われた酒びんラベルの納期の件で、先輩に無理を聞いてもらった御礼です。
「御礼なんか言わなくていいよ。」
少し疲れた顔ながら、ロール先輩も笑顔で返します。
「12月は色々急ぎが重なるからねえ。予定が分かってたんなら早く教えてって言うところだけど、お客様から急に言われた物件じゃあ、しょうがないよね。」
「何だか、いざ出荷!っていう新酒のラベルが不足してたとかで、大急ぎで追加をって慌てていらして・・・僕、お酒詳しくないんで分からないんですけど、今年取れたお米からのしぼりたてっていう、季節限定のお酒があるんですって。それだって仰っていました。」
「日本酒にもボジョレー・ヌーヴォーみたいなのがあるんだね。知らなかったよ。」
「知らないと言えば、先輩、お酒のラベルって普通のコート紙なんですね。僕、今回初めて知りました。」
「うーん。まあ、塗工紙ではあるけど、コート紙じゃないんだよね。今回使ったのはアート紙。それも片面。」
「片面アート紙?」

「今更だけど、アート紙とコート紙の違いは・・・」
「さすがにそれは分かっています。非塗工紙の印刷再現性などを上げるために表面に塗工してあるのが塗工紙で、塗工量によって分類がある。基本的に塗工量が多いほど表面の平滑が増して、印刷適性は上がる。その塗工量が・・・」

使用原紙 塗工量
(上質)アート紙 上質紙 両面で約50g/㎡前後(片面25g/㎡前後)
上質コート紙 上質紙 両面で約40g/㎡程度以下

「・・・ってことですよね。」
「うん。で、そのアート紙の表(おもて)面にだけ、つまり片側にだけ塗工が施されているのが片面アート紙。」
「ラベル専用紙なんですか?」
「そういう訳じゃないよ。用途の違いとしては・・・」

用途
両面アート紙 高級美術書印刷物、カタログ、パンフレット 等
片面アート紙 書籍カバー、帯、カレンダー、ラベル 等

「要するに、片面にだけ高い印刷適性が要求される高級印刷物に、片面アート紙が使われる、と。」
「そういうこと。で、そういう特性に向いている用途の一つが、お酒なんかのラベルってわけ。」

「片面塗工がラベルに向いている理由がもう一つ。」
「何ですか?」
「糊の問題。」
「そうか。糊を塗布する面は塗工してない方が都合が良いってことですね。・・・こういうラベルって、片面アート紙が使われることが多いんですか?」
「他にも、ホイルタックとか、和紙とか、フィルム、上質、ユポ・・・求められる適性とかコストによって色々だね。両面アートもそうだけど、片面アートも以前に比べると使用が減少しているの。それなりに高い紙だし、時代の流れってやつかなと思うけど、ちょっと寂しい感じがするね。」

「何にせよ、納期対応できて良かったです。忘年会とか新年会とか、年末年始用に出荷することが多いらしくて、遅れたら大損だって青くなっていらっしゃいましたから。」
「需要が増える時期だもんね。まあ、飲めない人には関係ないけど。」
「先輩、強くなかったでしたっけ?」
「そうでもないよ。高級な日本酒とかワインなんて、私には勿体ないって感じかな。・・・あ、でも。」
悪戯っぽく笑ってロール先輩、言葉を続けます。
「豪華で綺麗で飲めないワインなら、好きなのがあるんだけどね。」
「豪華で綺麗で、でも飲めないワイン?何ですか、それ?」
「前に、シートくんと段ボールの話(シートくんとロール先輩の紙修行⑳)をしていたでしょ?その時シートくんが言ってたこととちょっとだけ関係がある。」
「段ボールについて僕が言ってたこと?とちょっとだけ関係がある、飲めないワイン、ですか??」
顔中疑問符だらけにするシートくんの傍らで、ロール先輩、くすくすと満足そうに笑い続けているのでした。

(初掲載:2013年12月10日、加筆修正:2019年12月5日)

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