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【紙のソムリエ】シートくんとロール先輩の紙修行 74 新入社員様基礎編⑮衛生用紙

「新入社員の皆様、こんにちは。そろそろ会社には慣れてきましたか?」
「若手社員の皆様、こんにちは。連休明け、元気にいきましょう!」
「先輩、連休はどこか行かれました?」
「近場をぼちぼちってとこかな。シートくんは?」
「僕も友達とバーベキューしたくらいです。」
「ああ、岐阜の人ってバーベキュー好きらしいよね。ちなみにコツは?」
「コツって言われても困りますけど、忘れやすい必需品がウェットティシューってことですかね?(注:個人の意見です)というわけで、今回は衛生用紙のご説明です。」

1.衛生用紙の種類

「前回は紙の主な機能の『包む』にあたる包装用紙をご説明しましたが、今回は『拭く』機能が主の衛生用紙です。」
「新聞などには『家庭紙』として掲載されていることが多いですが、現在の紙の分類上は『衛生用紙』と呼ばれています。」

「以前は品種名も違い、もっと細分化されていましたが、現在は『衛生用紙』として4つに分類されています。」

2.ティシュペーパーとトイレットペーパーの違い

「衛生用紙はとても身近な紙製品で、用途も良くご存じだと思うのですが・・・」

ティシュペーパー 化粧拭き取り用として広まり、現在は衛生用に広く用いられる薄葉紙。通常は二枚重ねのポップアップ方式。水を吸っても簡単には破れないようにするため、パルプ同士をより強固に結びつけるよう原料や製法が工夫されている。
トイレットペーパー トイレで使う紙。ロール状。水に流す時に詰まらないように、パルプ同士の絡み合いを抑えたり、薄く作るなどして、繊維が簡単にバラバラになるように工夫されている。
日本のメーカーの場合、大手はパルプ製の高価格帯商品、中小は古紙仕様の再生品を主に製造している場合が多い。
タオル用紙 キッチンタオルやペーパータオルなど、布のタオルの代用として用いられる紙。昨今の訪日客の増加で、ホテルや大型商業施設などでの需要が増えている。
その他衛生用紙 紙おむつ用紙、生理用紙、テーブルナプキンなど、その他の用途で用いられる衛生用紙。

「ティシュペーパーとトイレットペーパーの一番の違いは、水に溶けにくいか溶けやすいかということ。溶けにくいティシュペーパーをトイレに流してしまうと詰まりの原因になってしまうこともあるので、各メーカーさんは通常のティシュペーパーをトイレで使用しないように呼びかけています。」
「外出先のトイレで使いたい方のためには、各社、水に流しても大丈夫な、水に分解する性質を持たせたポケットティシュを開発されていますよね。」
「また、ウォシュレットタイプのトイレで使用するため、吸水性を良くしたトイレットロールも現在は商品化されています。」
「ところで『ティシュ』ですか?『ティッシュ』ですか?『ティシュー』もありますよね?」
「日本製紙クレシアさんのホームページによると、どれでも間違いではないみたいだね。」

「印刷・情報用紙の需要が減っているのとは反対に、衛生用紙の需要は2018年も増えると予想されています。」
「訪日客の増加、高齢化による大人用紙おむつの需要増、あと、輸出とか現地生産だと、海外での子供用紙おむつの需要増なんかも期待できる要因ですよね。」
「それにCNFを利用した高機能な新製品の登場とかね。」
「期待の成長株ってとこでしょうか。うらやましいです。」
「でも、そもそもティシュペーパーが売り出されたのは80年以上前だし、開発されたのはさらにその前だからね。新人さんってわけじゃないんだよ。何年経っても進化できる。シートくんも見習わないと!」
「えーっと・・・とりあえずお客様に怒られて泣いちゃっても大丈夫なように、常にポケットティッシュを持ち歩くとか・・・・・・」
「まず怒られないように進化しなよ!」

(初掲載:2018年5月10日、加筆修正:2019年12月11日)

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