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【紙のソムリエ】シートくんとロール先輩の紙修行 80 新入社員様基礎編㉑封筒②

「新入社員の皆様、こんにちは。日増しに寒くなりますね。」
「若手社員の皆様、こんにちは。秋も大分深まってきました。」
「紅葉も進んできたし、空の色も濃くなって対比が綺麗ですよね。」
「シートくんですらそんな気分にさせるなんて、秋って偉大だね!」
「先輩の中で僕の評価って・・・とにかく、綺麗な風景をSNSで分かち合うのも良いけど、たまにはプリントして送るのも良いですよ!ってことで、今回は『封筒』2回目です。」
「結局強引・・・」

1.封筒の種類④用紙

「封筒に使われている用紙にもいろいろありますよね。」
「ビジネス用だと茶や白、1色のカラーの封筒が多いでしょうか。個人用だと和紙やファンシーなど、さらに多彩です。」

封筒の用紙
茶封筒 半晒クラフトを原紙に使った封筒。長形だと70g/㎡や85g/㎡、角形の大きいものだと85g/㎡、100g/㎡、120g/㎡の厚さのものがよく用いられる。
白封筒 特抄の白クラフトやケント紙などを原紙に使用した封筒。70g/㎡、80g/㎡、100g/㎡の厚さのものが一般的。
カラークラフト 色つきのクラフト紙を原紙に使った封筒。厚さは70g/㎡、85g/㎡、100g/㎡など。
パステルカラー系 同じくクラフト紙で、パステル系の色味を揃えている原紙を使用した封筒。厚さは80g/㎡、100g/㎡。
イムラ封筒では「フレッシュトーン」という名称でラインナップ。
その他 和紙やファンシーペーパー、不織布、筋入クラフトなど。
※既製品かどうかはメーカーによっても異なりますので、お問い合わせ下さい。

「白や淡い色の封筒だと『中身が透けちゃわないの?』と不安になりますよね。」
「そんな不安を解消するために、いくつかのラインナップが用意されています。」

透けない工夫
透けにくい原紙 イムラ封筒では長3と角2のパステル系の7色で「透けないフレッシュトーン」というラインナップを用意。
原紙の表裏の色が若干違っていて、封筒の中身を透けにくくする工夫がされている。
内地紋 白封筒の内側に、中身が透けないようにする地紋が印刷されたもの。
二重封筒 白封筒の中に一回り小さく薄い青封筒が入っていて、封筒が二重になっているもの。

「防水のためにラミネートが施されたもの、間伐材やお茶殻が原紙に使われたものなど、他にもお客様に要望に応じて、いろいろな原紙を使ったものがメーカーさん独自で用意されています。」

2.封筒の種類⑤窓

「ビジネス用の封筒だと、宛名部分が見えるようになっているものがありますよね。」

「この穴の部分を『窓』といい、これがある封筒を『窓付き封筒』と呼んでいます。窓付き封筒にもいくつかの種類があります。」

セロ窓封筒 窓部分にプラスチックフィルムを貼ってある封筒。生分解性プラスチックフィルムを使用し、環境負荷が小さいことを特長としているものもある。
グラシン窓封筒 窓部分にグラシン紙を貼ってあるもの。中身の透過性はやや低いが、窓部分も紙製であることをアピールできる。
プラマド封筒 窓になる部分に特殊な樹脂を浸透させて透過させたもの。穴を開けて他の素材を貼る製法とは違い、窓と紙の部分に段差がないため封入が容易であることや、窓部分にプラスチックを使用していないなどの特徴がある。透過性はセロ窓より低い。

(注)名称はイムラ封筒様のもの。他のメーカーさんでは名称が違う場合があります。

「既製品の場合、窓の位置や大きさがメーカーさんによって何通りかに決まっています。既製品の窓位置や大きさが中身の印刷に合わなければ、既製品を使えない、という場合も出てきますので注意が必要です。」

3.封筒の種類⑥糊

「封筒の口を閉じるための糊も、大きな特徴の一つです。これもイムラ封筒さんの名称で種類を説明すると」

アラビア ふたの部分にアラビア糊と呼ばれる糊がついていて、水をつけて閉じると封ができるもの。
タック 封筒のふたと本体の両方に粘着剤がついているもの。粘着剤同士を合わせて押さえるとくっついて封ができる。アドヘア、ピタット、スチックという呼び方もある。
テープタック 封筒の本体側(あるいはふた側)にだけ粘着剤を塗り、剥離紙で覆ったもの。グット、ハイシールといった呼び方のメーカーさんもある。
ファインタック 封筒のふた側に両面テープを貼ったもの。スラット、テープスチックという呼び方をしているメーカーさんもある。

「メーカーさんによっていろいろな呼び方がある場合もあるので、お客様との打ち合わせの時には注意が必要ですね。」

4.封筒の種類⑦印刷

「既製品には郵便枠や地紋以外の印刷はされていませんので、お客様の社名や住所、ロゴといった印刷が必要な場合には、既製品を購入して自社で印刷するか、封筒メーカーさんに印刷もお願いするかのいずれかになります。」
「既製品に追加印刷をする場合、郵便枠がついているかどうかを確認するのも重要です。イムラ封筒さんの場合、定形内の既製品では枠付きが、定形外の既製品では枠無しが標準となりますので、郵便枠が必要かどうか、発注の時に確認してその旨伝えることが必要ですね。」
「既製品に追加印刷する場合で、郵便枠が必要な場合は、枠がついている既製品を指定すればいいんですよね?」
「そうばかりとも限らない。既製品の郵便枠は赤で印刷されているから、例えばお客様の要望が郵便枠もその他の印刷も全部スミで、だった場合には、」
「枠無しを選ばないといけないってことですか。」
「そういうこと。封筒を選ぶ際、注文する際に気をつけないといけないことをまとめると」

「封筒を選ぶのも、こだわり始めると奥が深いってことですね。」
「大げさな言い方かもしれないけど、封筒ってその会社の『顔』だからね。封筒を決めるお手伝いをするのは、その会社のイメージを決めるお手伝いをすることだと思うと、少しでも良いものをご提案したいよね。・・・個人でもそうでしょ?大切な人に送る時には、封筒にもこだわるよね。」
「あ・・・」
「どうしたの?」
「前にお客様に出す見積もりを入れるのにキャラクター封筒を使おうとして、部長に怒られたことがあったんですよ。つまり、そういうことだったんですね。」
「そもそも会社にキャラクター封筒って、どこから持ってきたの・・・?」

(初掲載:2018年11月10日、加筆修正:2019年12月12日)

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