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【紙のソムリエ】新入社員シートくんとロール先輩の紙修行 ⑨ +って? ~高級白板紙~

 あるお昼休み。女子社員達の楽しそうなお喋りにつられて休憩室を覗いたシートくん、ロール先輩に声を掛けられます。「シートくんもお昼休み?お菓子あるよ。」「・・・いや、今お昼食べたばっかですよね、先輩方・・・」文句を言いつつも、しっかりお菓子をもらったシートくん、ふとパッケージに目を向けます。

「ん?どうかした?」
「あ、いや、ついさっき、午前に受注した箱の指示書に、前回と同じ『ボンアイボリー+』って用紙指定を書いたばかりなんです。だから、この箱もその仲間なのかなーって思って・・・」
「うーん、仲間と言えば仲間だけど、ちょっと惜しいかな。ボンは高板だし、この箱は特板だからね。」
「こういた?とくいた?それって、どう違うんですか?」

「ちなみにシートくん、紙と板紙の 区別は分かるよね?」
「明確な定義はない、って習いましたよ?しいて言うと・・・」

【板紙の特徴】
米坪・紙厚が大きい=紙よりも剛度が強い。
・層構造になっている=表面と中身に違う原料を使うことができる。
・箱・容器に使うことが多いため、印刷適性の他に製函適性等が求められる。
「あと、食品用途に使う場合は、蛍光染料を使っていないとか、虫が入らないように防止するとかの安全性が求められるって」

「ほぼ正解。もう一つ、これも入れてほしいなってことがあるけど。」
「何ですか?」「数え方」

1000枚=1R(れん)
板紙 100枚=1BR
(びーれん、ぼーどれん)
「このBRのBが省略されて、Rだけになることがあるの。でも、紙の1Rと板紙の1Rは違うから、板紙の数量指定をRでやっちゃうと、1000枚欲しいのに100枚しか届かなかった!とか、その逆とか、ミスが起こるもとになったりするんだよね。」

「で、その板紙の中に、段ボール原紙とか紙器用板紙とか雑板紙とかがあるわけだけど、今話してる高板とか特板は、分類的には紙器用板紙になるの。文字通り、容器用の板紙ってことだよね。これを細かく分類すると・・・

紙器用板紙 白板紙 マニラボール 高級白板紙
特殊白板紙
一般マニラボール
白ボール
黄板紙
チップボール
色板紙 クラフトボール
茶ボール
ねずみボール
その他の色ボール

になって、この高級白板紙を『高板』、特殊白板紙を『特板』って略して呼ぶの。」
「どちらも『マニラボール』の一種ってことですね。でも、どうしてマニラ・・・?」
「元々フィリピン原産のマニラ麻って植物を原料に使ってたかららしいよ。今は違うんだけどね。ちなみに、板紙を『ボール紙』って言ったりするのは、英語の『board』が変化して『ボール』になったって話。更に言うと、マニラ麻は実は・・・。ま、いっか。これは本筋には関係ない話だしね。」「止めちゃうんですか?!」

「ところで先輩、高板と特板の違いって何なんですか?」
「簡単に言っちゃうと高板の方がグレードが上ってことなんだけど、一番大きな違いは、高板両面塗工が主体で、特板片面塗工ってことかな。この二つも 分類するといくつかに分かれるんだけど・・・」

高板 アイボリー 表層・中層ともに晒化学パルプ100% 塗工品(両面コートが主)
非塗工品
カード 表層は晒化学パルプ100%、
中層は古紙等を使用。
塗工品(両面コートが主)
非塗工品
特板 アイボリー 表層・中層ともに晒化学パルプ100% 片面塗工品
カード 表層は晒化学パルプ100%、
中層は古紙等を使用。
高板とは中層原料の種類に差あり。

「それから、高板は紙器用、ではあるんだけど、用途的にアートやアートポストとかぶるところがあって印刷適性が重要視されるから、蛍光染料が用いられていることも多いの。それに比べて特板薬品や食品パッケージ用途が多いから無蛍光なことが多い。その辺も違いかな。」

「じゃあ、『ボンアイボリー+』は 、その高板に属する銘柄の一つってことですね?」
「そう。この品種もメーカーによって銘柄がすごく多いんだけど、岐阜地方でコートアイボリーって言ったら、ボンPWってところが多いんじゃないかな。」「ぴーだぶ?」
パーフェクトW、の略だね。他にも高板の銘柄名をいくつか挙げると・・・」

メーカー コートアイボリー ノーコートアイボリー コートカード ノーコートカード
王子 ボンアイボリー+
OKプラウ
サンカード+
OKエルカード+
日本 アイベストW
ベストマット
アイベストP ユニフェイスW
カルメンR
エクセルR
中パ アストル-TZ ブランシュ-TZ
東京 スノーアイボリー プライムカード
北越 パーフェクトW ベルネージュ
ノーバックW

(※2019年紙業手帳より数点を抜粋)

「色々あるんですね・・・」
「もっとたくさんあるよ。挙げてないだけで、他にもハイブランカRとかフリューサンドとか・・・」
「で、先輩、PWとボンって、どっちが良いんですか?」
「優劣は無いけど・・・PWエコパルプ、一般的な言葉で言うと無塩素漂白パルプを使ってて、環境に優しい、ていうのが一つのセールスポイントかな。それに対して、ボンは+(プラス)品だからね。」
「ぷらすひん?」
「王子製紙の塗工の商品って、+(プラス)が付いてるものが幾つかあるでしょ?これは従来あった塗工商品に、高白色、高光沢、インキ速乾性をプラスしましたよ、て意味なの。ボンも元々あった『ボンアイボリー』がグレードアップして『ボンアイボリー+』になった、高付加価値商品ってわけ。」
「なるほど。」

「まあ、高板に関してはどこも『印刷適性に優れています』を売りにしているようなところはあるけどね。用途も、高級パッケージも勿論あるけど、出版物の表紙とかカタログとかポストカードとか、印刷用途も多いし。変わったとこだと、ストッキングの商品名カードに高板が使われていたこともあるね。」
「高級感を出すため、でしょうか?」
「そうかもしれないね。」
 実際、コスパを考えると相当・・・、と遠い目をするロール先輩に、シートくんはきょとんと首を傾げるばかりでした。

(初掲載:2012年12月10日、加筆修正:2019年11月14日。文中で『北越紀州』は現・北越コーポレーション、『興陽製紙』は現・日本製紙クレシア興陽工場、また、2019年11月現在、王子ホールディングスの板紙製品は王子マテリアにて製造されています。)

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