Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!
  1. HOME
  2. ブログ
  3. 【紙のソムリエ】シートくんとロール先輩の紙修行 35 環境を考える~総合評価値~

【紙のソムリエ】シートくんとロール先輩の紙修行 35 環境を考える~総合評価値~

ある日の午後。営業から戻ったシートくん、書類を読みながら入力を行っています。「何の仕事?」通りがかったロール先輩、書類をひょいと覗き込みます。
「入札仕様書?」
「新年度に使うテキストだそうですよ。」
顔を上げ、シートくんが説明します。
「先輩に渡す見積依頼を作っているところです。できたら回しますので、紙の価格確認を御願いします。」と、シートくん、ちょっと首を傾げ、「ところで先輩、総合評価値って何ですか?」
「・・・えっと、シートくん、今まで知らずに入札に行ってたの?」
「環境に関する基準、ってことは知ってますけど、考えてみたら、点数の根拠は知らないな、って。見積依頼に『総合評価値80点以上の紙』って入力して先輩に渡すと、該当する用紙を先輩が教えてくれますよね。でも、何故その用紙が『総合評価値80点以上』なのかは、あんまり考えてなかったな、と思ったんです。」
「なるほど、そういうことね。」

「とりあえず一番基本のところから確認すると、シートくん、総合評価値の根拠になっている法律が何かは・・・」
「グリーン購入法ですね。」

グリーン購入法
名称 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律
主旨 国等が環境負荷の少ない製品を積極的に調達・使用することによって、限りある資源や環境を長持ちさせ、健康で文化的な生活が送れる社会を継続させようとするのが目的。
国などには環境製品を調達すると同時に、その意義の周知を推進する努力が求められ、地方自治体なども国に準じて環境製品を調達する努力をするよう定めている。事業者や国民にもできる限り環境製品を選ぶよう努力することが求められている。
調達に関する基本方針 毎年年度末(2月)に方針が見直され閣議決定、各省庁や自治体の次年度の調達方針に反映される。

「今年も2月3日に平成27年度の基本方針の閣議決定があったばかりだよ。」
「その基本方針で、総合評価値について決められているんですか?」
「グリーン購入法の中に、基本方針ではこんなことを定めなさい、ってことが予め決められているの。それによると、基本方針では、国とかそれに準ずる機関の
①調達の推進に関する基本的方向
②特に重点的に調達を推進するべき物品の種類や基準等
③その他
を定めることとなっている。この②に該当する物品を『特定調達品目』って言うんだけど」
「紙はその『特定調達品目』に入っているわけですね。」
「そういうこと。紙類って、基本方針の特定調達品目に関する部分で一番最初に基準とかが明記されていて、環境製品としてかなり重要視されてるんだなって思うんだけどね。」

「具体的にはどんなふうに基準が決まっているんですか?」
「今年の見直しでは、紙類としては7品目について基準が決められているの。方針の文章そのままだと長くなるから、端折って説明すると・・・」

品目 判断の基準・配慮事項
コピー用紙 【判断基準】
①総合評価値が80以上。
②バージンパルプ使用の場合は、合法的に伐採された原木を使っていること(間伐材や再生資源などが由来のパルプは適用外)。
③製品に総合評価値や内訳を記載するか、記載出来ない場合はウェブサイトなどで簡単に参照できること。
【配慮事項】
①古紙パルプ配合率が限りなく高いものであること
②バージンパルプ使用の場合は、原木が持続可能な経営を営まれている森林から取られていること。
また、森林認証材パルプや間伐材等パルプの利用割合が限りなく高いものであること。
③包装などが簡易で、再生利用や廃棄がしやすくなっていること。
フォーム用紙 【判断基準】
①古紙パルプ配合率が70%以上かつ白色度が70%程度以下であること。
②バージンパルプ使用の場合は、合法的に伐採された原木を使っていること(間伐材や再生資源などが由来のパルプは適用外)。
③塗工されている場合は、塗工量が両面で12g/㎡以下であること。
【配慮事項】
①バージンパルプ使用の場合は、原木が持続可能な経営を営まれている森林から取られていること。(間伐材や再生資源などが由来のパルプは適用外)
②包装などが簡易で、再生利用や廃棄がしやすくなっていること。
インクジェット
カラープリンター用
塗工紙
【判断基準】
①古紙パルプ配合率が70%以上であること。
②バージンパルプ使用の場合は、合法的に伐採された原木を使っていること(間伐材や再生資源などが由来のパルプは適用外)。
③塗工量が両面で20g/㎡以下であること。片面の最大塗工量は12g/㎡。
【配慮事項】
①バージンパルプ使用の場合は、原木が持続可能な経営を営まれている森林から取られていること。(間伐材や再生資源などが由来のパルプは適用外)
②包装などが簡易で、再生利用や廃棄がしやすくなっていること。
印刷用紙
(非塗工・塗工)
【判断基準】
①総合評価値が80以上。
②バージンパルプ使用の場合は、合法的に伐採された原木を使っていること(間伐材や再生資源などが由来のパルプは適用外)。
③製品の総合評価値や内訳がウェブサイトなどで簡単に参照できること。
④再生利用しにくい加工がされていないこと。
【配慮事項】
①古紙パルプ配合率が限りなく高いものであること
②バージンパルプ使用の場合は、原木が持続可能な経営を営まれている森林から取られていること。
また、森林認証材パルプや間伐材等パルプの利用割合が限りなく高いものであること。
③包装などが簡易で、再生利用や廃棄がしやすくなっていること。
トイレットペーパー
ティッシュペーパー
【判断基準】
古紙パルプ配合率が100%であること。
【配慮事項】
包装などが簡易で、再生利用や廃棄がしやすくなっていること。

(環境省ウェブサイト掲載の「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」(平成27年2月3日変更閣議決定)より、華陽紙業にて抜粋・編集しています)
「これに、古紙と古紙配合率の定義とか、調達目標の立て方なんかが加わったものが、紙類に関する基本方針になっているの。」
「『判断基準』と『配慮事項』はどう違うんですか?」
「ざっくり言うと、『判断基準』は、守りなさいっていう基準。『配慮事項』は、絶対守りなさいとは言わないけどできる限りその方向でっていう事柄、かな。」

「ここで『総合評価値』って言葉は出てきましたけど、どうやって点数を出すかは・・・」
「それは備考で決められてるの。そもそも『総合評価値』って考え方は、270ある特定調達品目の中でも、『コピー用紙』『塗工されていない印刷用紙』『塗工されている印刷用紙』の3つにだけ、適用されている考え方なんだけど、その3つそれぞれに対応した算定式が決められているんだよ。
これもかなり細かく規定されてるんで、ざっくり説明すると・・・」

品目 算定式
コピー用紙 ①古紙配合率-20
②森林認証パルプ利用率+間伐材等パルプ利用率
③その他持続可能性を目指したパルプ利用率X0.5
④-(白色度)+75
⑤-(2.5X坪量)+170
として①~⑤の合計が総合評価値
非塗工の印刷用紙 ①古紙配合率-10
②森林認証パルプ利用率+間伐材等パルプ利用率
③その他持続可能性を目指したパルプ利用率X0.5
④-(白色度)+75
として①~④の合計が総合評価値
塗工の印刷用紙 ①古紙配合率-10
②森林認証パルプ利用率+間伐材等パルプ利用率
③その他持続可能性を目指したパルプ利用率X0.5
④-(0.5X塗工量g/㎡)+20
として①~④の合計が総合評価値

「実際には、これに更に、古紙配合率は70%以上、とか、白色度が60%以下は全て60、75%以上は全て75で計算するとか、細かい規定があるから、それも考えて計算されるんだけどね。」
「かなり複雑なんですね。」
「例えば、古紙配合率が70%で残り30%中25%が森林認証材パルプ、白色度が70%で米坪64g/㎡のコピー用紙があるとすると、
①古紙配合率70-20=50
②森林認証材パルプ25/30X30=25
④-(白色度70)+75=5
⑤-2.5X(米坪64)+170=10
になって合計90点。このコピー用紙は総合評価値80点以上でグリーン購入法に適合しています、って計算になるの。」

「入札だと他にリサイクル適性ランクが重要だったりするけど・・・それはまた、次の機会にしようか。」
「お願いします。・・・そうか、総合評価値って、コピー用紙と印刷用紙だけの指標なんですね。」
「環境省の解説を読むと分かるけど、環境に良い紙の製造方法って、古紙を使う事だけじゃないんだよね。地球規模の森林面積のことを考えても、森林認証パルプを使うのは有効なことだし、間伐材や竹パルプ、建材の端材を使用するのも大切。白色度だって、あんまり白くしようとすると環境負荷は高くなるから、ほどほどの製品を使った方が良いことになる。そういった色々な状況から、『本当に環境に良い紙とは』を考えて出て来た指標が、総合評価値って考え方なんだと思うよ。」
「色々な角度から総合的に評価しましょう、ってところは人間も同じだよね」と、横から口を挟んだのは、総務のパレットちゃん。「人間もって?」と首を傾げるシートくんに「人事考課とか目標とか」と答えます。
「営業さんだって、総務だって、目標達成だけでは評価されないでしょ?数値に出てこない部分での評価も加味されて、結果になる。とは言え、目標達成が大きなウェイトを占めるところも、総合評価値に似てるかな?」
「そう言われればそうですね。」
「・・・ここまで言っても気づかないか・・・」溜息を吐いたパレットちゃんに「え?」シートくん、かすかに青ざめます。
「営業さんの目標数字。総務で入力するから提出して下さいね、って連絡した期限はいつだったでしょうか?」
にこにこと敬語で話すパレットちゃんに、顔色をさらに悪くするシートくん。
急に机に向き直り、慌ただしく何かを探し始めたシートくんと、にこにこしていても目は笑っていないパレットちゃんを残し、「えっと・・・見積依頼は後でも良いからね・・・・・・」と呟いて静かに後ずさるロール先輩なのでした。

(初掲載:2015年2月10日、本文中でもご紹介しておりますが、総合評価値を含む調達方針は毎年見直されますので最新のものをご参照下さい。加筆修正:2019年12月6日)

関連記事