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【紙のソムリエ】シートくんとロール先輩の紙修行 67 新入社員様基礎編⑨薄葉印刷紙

「新入社員の皆様、こんにちは。めっきり寒くなりましたね。」
「若手社員の皆様、こんにちは。御挨拶とその半袖シャツが矛盾してるよ、シートくん。」
「だって昼間は暑いんですよ。そういう先輩は最近カーディガン着てますね。」
「・・・男の人って、どうして10月でも冷房入れるんだろうね。」
「僕は『10月になったらクールビズ終わり』って風潮の方が理解できません。まだまだ薄着でもいけるのに!というわけで、今回は薄葉印刷紙のお話しです。」
「気温もシートくんのダジャレも寒い・・・」

1.薄葉印刷紙の定義

「『薄葉印刷紙』は非塗工印刷紙の一つに分類されていて、『インディアペーパー』と『その他薄葉印刷紙』に分類されています。」

「いつもの通り定義から参照すると、

インディアペーパー ごく薄く不透明度の高い紙で、辞書、六法全書、バイブルなどに使用されるもの。
その他薄葉印刷紙 カーボン紙原紙、エアメールペーパー、転写用紙、タイプライター用などに使用されるもの。

(経済産業省「パルプ、紙、板紙月報記入要領」紙月報品目分類表より抜粋)

「以前はこれ以外にも『タイプ・コピー用紙』という分類がありましたが、需要が縮小した結果、『その他薄葉印刷紙』のなかに吸収されてしまいました。」

2.インディアペーパーの用途

「シートくん、インディアペーパーの特長はなんだと思う?」
「通常の上質紙やコート紙よりずっと薄いってことですよね。だから、

ってことでしょうか。」
「その特長から考えると、ページ数が多くて、細かい文字が多くて、でも読みやすくなきゃいけなくて、勿論夾雑物が少なくなきゃいけなくて、軽い方が良い印刷物に向いてる紙ってことになる。」
「ああ、だから『辞書』。」
「日本人の場合は『バイブル』より『辞書』の方がなじみがある人が多いかもしれないね。でも、もともとインディアペーパーは聖書用に開発された紙だって話だよ。」
「あと細かい文字が多いものっていうと、百科事典とか?」
「インディアペーパーから派生した超軽量印刷用紙なんかだと、通販カタログとかマニュアルとか。ただこの辺りも最近デジタルにどんどん置き換わっている分野になるけどね。」

3.『その他』のなかのいろいろな薄葉印刷紙

「『その他の薄葉印刷紙』にはどんなものがあるんですか?」
「例えば、

ほかにも、グラシンとかトレーシングは分類で言うと工業用雑種紙、複写用紙は情報用紙なんだけど、使われ方としては薄葉印刷紙に近い時もあるよ。」
「以前先輩に『コピー紙』と『コピー用紙』は違うんだよ、って言われたことありますね。」
「でも、今はジアゾコピー自体知らない人も多いし、そんな『紙屋さんあるある』も通じなくなってきてるけどね。」

「そう言えば、ある有名な手帳の原紙に採用されて話題になった『トモエリバー』のシリーズも薄葉印刷紙から生まれた用紙の一つだよ。」
「手帳ってかさばるから薄い紙の方が良いですよね。使ってるうちにどんどん膨れていくし。」
「膨れる?」
「注意事項とか仕事の依頼とかを付箋に書いて貼ってるんです。できたら剥がそうと思うんですけど、なかなか・・・」
「いや、それ溜めたらダメなやつだから!」

(初掲載:2017年10月10日、加筆修正:2019年12月11日)

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