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【紙のソムリエ】シートくんとロール先輩の紙修行 76 新入社員様基礎編⑰段ボール原紙

「新入社員の皆様、こんにちは。梅雨明けしましたね。」
「若手社員の皆様、こんにちは。今年の夏は暑そうですね・・・」
「夏はこれからですけど、湿度が高いせいか汗をすごくかくようになりました。」
「確かにね。日差しが強い日なんか、帽子をかぶると中が蒸れてとんでもないことに・・・」
「そう言えば、段ボールって、もとは帽子の汗取り用に開発されたって話ですよね。というわけで、今回は段ボール原紙のご説明です。」

1.段ボール原紙の分類

「日常でもよく見かける段ボール。波形になったボール紙をフラットなボール紙でサンドした形は良くご存じだと思いますが、フラットな部分を『ライナー』、波形の部分を『中芯』と言います。」

「段ボール原紙の分類も『ライナー』と『中芯』に分かれ、それぞれがどんなものかを定義しています。」

2.段の種類

「中芯原紙の段の部分を『フルート』と呼びますが、高さや数によっていろいろな種類に分かれています。」

「そのほか、レンゴー株式会社さんは独自規格として『デルタフルート』というフルートを用意されています。」
「ちなみに同社の創業者の方は、日本で初めて機械製段ボールを商品化し、『段ボール』と命名した方としても知られていますよね。」

3.用途

「段ボールの特長は①軽くて丈夫、②古紙からつくられ、使用後また古紙として利用される、環境負荷の低い循環型製品、③比較的安価、④表面の印刷により、パッケージ自体に訴求効果を持たせられる、など。その優位性から包装資材として高いシェアを占めています。」
「また、もともと持っている、軽くて強度が高いという機能に加え、現場で必要とされる機能を付加していくことで、様々な高機能製品が生まれています。」

耐水、撥水、防湿 耐水性、撥水性、防湿性を持たせた段ボール原紙。青果物や水産物などの運搬に使用されます。
美粧印刷向け 色を白くしたり印刷適性を上げたりして、美しく高精細な印刷を可能にした段ボール原紙。贈答用や宅配便の箱などで使用されます。
軽量化 ライナーや中芯などの軽量化をさらに図ることで、より環境負荷が低くコストも低減できる製品が開発されています。
重量物用 機械部品など、重量のある内容物にも耐えられる製品。

「その他にも、鮮度保持や防錆性など、内容物によって必要とされる機能を備えた製品が次々開発されています。」
「用途も広がっていますよね。もとはただの包装箱だったのが、最近は開けたらそのままディスプレイに使える機能を有した製品も開発されていますし、間仕切りや簡易ベッドなど、災害時に役立つ製品も知名度が上がってきています。」

「需要減が続く印刷用紙とは反対に、段ボール原紙は需要の増加が続いています。」
「ネット通販が伸びていることとか、企業活動がグローバル化して輸送需要が拡大していることとか、後押しする要因がいろいろありますよね。先輩も本はネット通販ですか?」
「買うものが決まってるときはネットでも良いけど、本屋さんの楽しさはそれとは全然別だよ?当てもなく行って、全然知らない作者さんの本を買って、当たりだった時のあの嬉しさ!ネットのお勧め機能だと、当たったとしてもそこまで嬉しくないから不思議なんだけど。」
「僕だけかもしれませんけど、本屋さんの方が『運命的な出逢い!』って感じが強い気がします。でも、通販は通販で、段ボールを開ける時のドキドキ感は格別ですよ。」
「自分で頼んだんだから中身は分かってるんじゃないの?」
「それが、僕、利用しすぎて、届く頃には何頼んだか忘れてるんですよね。それでいつも、段ボールの中に何が入ってるかドキドキで・・・」
「それ、典型的なダメな人だよね・・・・・・」

※上記文章を作成するにあたり、王子製紙様編著『紙の知識100』、及び、経済産業省様、全国段ボール工業組合連合会様、レンゴー株式会社様、王子マテリア株式会社様のサイトなどを参考にさせて頂きました。

(初掲載:2018年7月10日、加筆修正:2019年12月11日)

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