【紙のソムリエ】シートくんとロール先輩の紙修行 82 新入社員様基礎編23 和紙
「新入社員の皆様、こんにちは。新年明けましておめでとうございます。」
「若手社員の皆様、こんにちは。本年も何卒宜しく御願い致します。」
「お正月らしいこと、何かしました?」
「近所の神社に初詣に行ったよ。新しいしめ縄に紙垂の白さがまぶしくて、背筋が伸びる思いがしたな。」
「紙垂って鏡餅にあしらわれることもありますよね。今回はこの紙垂の紙でもある和紙のお話です。」
1.和紙の原料や製法
「紙については伝来時期などいろいろな説があるものもありますが、概ね以下のように考えられています。」
「ちなみに越前和紙で有名な福井県には6世紀前半に女神が里人に紙漉きを伝えたとする伝説が残っており、この女神、川上御前を紙祖神としてお祀りする岡太神社が建立されています。」
2.和紙の特徴と用途
「洋紙に比べて繊維が長い和紙には
・薄くても丈夫 ・柔軟で折り曲げに強い ・薬品を使わない製法のものであれば、中性で長期保存に向く ・吸水性がよく、にじみやすい ・紙むけが起こりやすい |
などの特徴があります。この特徴を生かし、書画やインテリア、文化財の補修などで力を発揮しています。」
「元々オフセット印刷よりレーザープリンターやインクジェットプリンターの方が相性がよく、その地合いや風合いを生かしたプリンター用紙として販売されているものもあります。」
「海外の有名な画家さんたちが和紙を使っていたそうですね。」
「海外の現代の版画家の方もね。丈夫さや保存性が高く評価されてるって話だったよね。」
「ひょっとしたら国内より海外での方が和紙の評価が高いのかも?」
「今の日本では和紙って洋紙に比べると身近じゃないのかな。もう少し気軽に使うようにすると良いのかもしれないね。」
「じゃあ、僕、今年は懐紙を持ち歩くようにします!」
「懐紙?」
「懐紙ってメモとかにも使うって言いますよね。お客様から注文を受けて、さっと懐紙にメモする僕!かっこよくないですか?」
「・・・止めといたほうが良いよ。どこにしまったか分からなくなってあたふたするのが目に見えるし・・・」
「え?」
※上記の文章を作成するにあたり
「紙のなんでも小事典」(紙の博物館・編)等を参考にさせて頂きました。
(初掲載:2019年1月10日、加筆修正:2019年12月12日)